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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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エフ・シー・シー(シリーズNo.995)

海外戦略と自社一貫生産体制で驚異的シェア
世界的クラッチメーカーが即戦力を求む!


松田 年真 社長

 クラッチ製造の世界的企業が即戦力を求めている。浜松市に本社を構え、今年で設立75年目を迎える東証一部上場、「JPX日経インデックス400」の構成銘柄でもある株式会社エフ・シー・シーだ。

「ニーズの多様化や、同時進行する複数の大型プロジェクトに対応するために即戦力の人材が必要です。当社には技術力が育つ土壌があり、グローバルな事業展開の中でフットワーク良く動ける仲間を増やし、パワーの底上げを目指します」

 と話すのは、昨年6月に9代目の代表に就任した松田年真社長。トランスミッション(変速装置)における制御系の製品開発やテスト・設計、摩擦材の開発に必要な要素技術、金型の製造・加工技術など、多彩な領域で経験を持つ技術者の人材リソース拡充を目指す。

 1939年、ベークライト樹脂の射出成形によるクラッチ板などの製造からスタートした同社。オートバイだけでなく、四輪も含めた多数の日系メーカーから信頼を集めて取引を開始する傍ら、米国に現地法人を開設した88年から、他社に先駆けてダイナミックな海外戦略を敢行してきた。

 そして現在、世界10カ国14カ所に拠点を構えて日本と欧州、米国、ASEAN、中国を結ぶグローバルな営業・生産ネットワークを確立。地球上を走るオートバイの約半数、600㏄クラス以上に限れば約9割という驚異的なシェアを誇る。

次の進化へ感動と〝世界〟を共有



 また、同社の最大の強みは、摩擦材の開発からクラッチの組み立てまでを一貫して行う独自の生産システムにある。金型製作やクラッチの設計・開発、試作、テスト、量産に至る全てのプロセスを内製化し、シビアなニーズにも独創的な技術とアイデアで応えている。

「要求されたスペックに合わせて開発提案を行うことができます。その技術的な熟成を図るプロセスこそが当社の仕事の面白さであり、流儀なのです」(松田社長)

 世界でも希有な生産システムをグローバルネットワークと連携させ、右肩上がりの成長推移を続ける同社。しかし、世界規模の市場競争は激化し、松田社長は「自覚と総合力の発揮」という考え方のもと、次の進化を起こそうとしている。

「特に四輪の市場では、まだ伸びしろがあります。安心・油断をせず、自覚を高めることで、もう一度進化したいですね」(松田社長)

 88年から本格的に参戦している「鈴鹿8耐」などのロードレースでは、同社の技術者がスタッフとしてピット作業をサポート。感動と達成感を共有できる刺激的な環境と、常に〝世界〟を意識できるモノづくりの現場は、技術者をさらに大きく成長させる。

【会社データ】
本社=静岡県浜松市北区細江町中川7000‐36
☎=053―523―2400設立=1939年6月
資本金=41億7589万2000円(東京証券取引所第一部上場)
従業員数=7214名(連結正規従業員)
売上高=1448億9000万円(連結)
事業内容=自動車・オートバイ・汎用機・その他のクラッチ製造及びフェーシング・触媒の製造
http://www.fcc-net.co.jp

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