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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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ホリグチ(群馬の人と企業)

380余年の歴史を歩むレジェンド企業
進化と挑戦を続ける建設資材の総合商社

堀口 靖之 社長

 日本列島の「へそ」に位置する群馬県渋川市。古くから関東と越後を結ぶ三国街道の宿場町として栄えたこの地で、人々の豊かな暮らしと産業の振興を支え続けてきたのが株式会社ホリグチだ。
 創業は江戸時代初期にまで遡る。1629年(寛永6年)に開業し、400年近い業歴が幕を上げた。旧本社の「店蔵記念館」は国の登録有形文化財に指定され、趣深く同社の歩みと伝統を物語っている。
「創業前は食べていくために養蚕も行っていました。半農半商の生活を営みながら、17世紀半ば以降は魚の保存食など『阿以物』も商っていたと聞いています」


 と、同社のルーツを語るのは堀口靖之社長。先祖である堀口吉右衛門が江戸末期に鋳造・発行した「上州鉛銭」は、商品券や小額銭貨の代用として上州地方に広く流通していたという。
 やがて幕末を迎える頃には庶民の間に鉄製品が普及し始め、時代の変化を素早く捉えた同社は農機具や工具、家庭金物などの販売を開始。明治・大正・昭和初期に現事業の礎を築き上げ、いまや同社は鋼材や鉄筋、セメントなどの販売、さらには加工や施工も行う建設資材の総合商社として独自の地位を確立しているのだ。
 また、第二次世界大戦後から工業用ガスや酸素の製造販売事業にも参入。高圧ガスの製造販売を手掛けるカンサン㈱と工業用ガス・産業機器を販売する㈱マルホンを設立し、電気製鋼用の電炉や鉄工所、そして病院にも酸素を供給している。
「ライフサイクルが終わった製品を素早く整理し、世の中が求める製品をいち早く取り入れることで勝ち残ってきました。在宅医療の市場拡大を受け、医療用酸素の販売事業は順調に業績を伸ばしています」
 と、成長分野への手応えを口にする堀口社長。1995年から始まった携帯電話販売店も地元住民の確かな信頼を集め、同社を中核として11社から成るホリグチグループは、地域社会で無二の存在感を放っている。  

利益追求と社会性を両立
新たな人材と次の時代へ

 伊香保温泉など観光地として知られる渋川市の環境美化を推進する花壇整備や、毎年行う献血活動など、同社は社会と地域への貢献を忘れていない。従業員への福利厚生を目的として建てられた日帰り天然温泉「富貴の湯」は、一般客にも至極の癒しを提供している。
「企業が永続的に発展するためには、利益追求と社会性を両立させることが大切です。お客様一人ひとりに喜ばれるサービスを提供し、従業員にも当社の鋼材・建材で建物が建った時の満足感や達成感を味わって頂きたいですね」(堀口社長)
 そして今、同社は新たな歴史の一ページを共に刻む若き人材を求めている。

【会社データ】
本社=群馬県渋川市半田2420
☎=0279―22―2525
創業=1629年
資本金=4000万円
従業員数=約350名(グループ全体)
事業内容=建設資材の総合商社及び携帯電話販売店など
http://www.horiguchi.co.jp

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