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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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中央堂/ひかりサポート(シリーズNo.1046)

地域福祉のあり方を追求し、地元・川越に貢献!
医療的ケアに対応する訪問介護事業所

中村 昌史 社長

 高齢化の進展に伴い、在宅医療・介護のニーズがますます高まりつつある昨今。しかし、在宅での痰吸引や経管栄養(胃ろうなど)の医療的ケアに対応できる人材の数は全国的に不足している。
「自治体等が実施する喀痰吸引等研修を修了すれば『認定特定行為業務従事者』の資格を取得でき、ヘルパーも医療的ケアを実施できる。しかし、研修の機会は少なく、不特定の対象者への処置に対応する資格を得るには50時間もの講義と幾度にもわたる実地研修を要する。こうしたハードルの高さから、資格を取得したくても研修を受けられない人が多く存在するのが現状です」
 こう指摘するのは、小江戸・川越で訪問介護事業所「ひかりサポート」を運営する、株式会社中央堂の中村昌史社長。中村社長は関係機関と話し合いながら、川越市での研修開催に向けて尽力している。
 高齢者だけでなく、身体上・精神上の障がいによって日常生活を営むのに支障がある人々のサポートにも注力する同社。医師の指示の下、幼児や難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)などを患う人のケアにも対応している。誠実な仕事ぶりで利用者とその家族の信頼を獲得し、医療的ケアに対応できる事業所が不足していることもあり、近隣自治体からの引き合いも多い。
「人の命は、いつ何があるかわからない。だからこそ、どんな時でも利用者様一人ひとりに対して真摯に接する姿勢を全従業員が徹底しています」(中村社長)

各事業所が連携し
地域ぐるみで福祉の発展を

 埼玉県立川越南高等学校時代は野球に情熱を注ぎ、夏の県大会ベスト16を経験した中村社長。現在も野球を続け、所属する軟式野球チームの隼倶楽部は2008年関東選抜大会(二部)で優勝し、今年も県大会で準優勝するほどの強豪として知られる。中学生時代に参加した川越市の青少年交流事業「少年の船(現・少年の翼)」のOB・OG会でのボランティア活動を通じ地域の人々とふれあう中で、福祉による地域貢献を志すようになった。
 やがて川越市社会福祉協議会に非常勤職員として勤め、介護に関する知識・スキルを習得。その後、同じ志の仲間と共同で訪問介護事業所を立ち上げた。自ら介護スタッフとして東奔西走する中、現場で医療的ケアの必要性を痛感。より充実した体制でサービスを提供するべく同社を設立した。中村社長は話す。
「訪問介護事業所の経営はますます厳しくなると予想されます。今後は各事業所が連携し、それぞれの長所を生かし短所を補いながら地域ぐるみで福祉を発展させていくべき。当社としては、有資格者の増員と育成に努めていきたいですね」
 社名には、川越で長く愛された実家の書店名をそのまま採用した。業種は変われど、地元・川越に末永く貢献する企業を目指すという覚悟が込められている。(森)

【会社データ】
本社=埼玉県川越市南通町13―2 西澤ビル103
☎=049―229―3050
設立=2013年7月
従業員数=6名
事業内容=訪問介護事業

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