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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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バイオフューチャー(シリーズNo.1050)

地球環境と農業にバイオの力を!
バイオレメディエーションの先駆的企業

吉岡 克祥 社長

 バイオレメディエーション――。微生物や菌類などを用いて、有害物質に汚染された自然環境を元の状態に戻す「環境浄化」を指した言葉である。有限会社バイオフューチャーは、このバイオレメディエーションの先駆者として日本の環境バイオ産業をリードしている注目企業だ。
「『静脈産業』とも言われるように、私たちの仕事はモノを生み出すのではなくモノを回収してリサイクルする、いわば裏方の仕事です」
こう話す吉岡克祥社長は、証券マンとしてニューヨークのウォールストリートで活躍していた経歴の持ち主。その当時から〝裏方〟の環境バイオ産業の成長性に注目していたという。
 1995年の設立以降、約20年間にわたってバイオレメディエーションの専門的な知識と技術の研鑽、研究を重ねてきた同社。環境バイオ産業先進国である米国の業界上位3社の日本総代理店として、多種類のバイオ製剤を提供している。
 中でも、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されている油吸着分解剤「オイルゲーター」は、多くの工場や工事現場で活躍するヒット商品。天然の有用善玉菌を使った消臭・防カビスプレー「OE-1」は、NPO法人日本アトピー協会からアレルゲンにならない安心・安全なバイオ消臭剤として推薦品の認証を受け、今後の普及が期待される。
 また、同社は商品の輸入・加工・販売だけでなく、現場での施工も行うことができる日本では数少ない存在。東日本大震災の被災地である陸前高田市や石巻市、気仙沼市などに社員を派遣し、重油や魚の加工工場から流出した魚油の吸着・分解作業、仮設トイレや冷凍魚の腐敗臭を消臭する作業を行って復興を支援した。

“引き算”から“足し算”へ
生物学生かす「バイオ農法」

「好きこそ物の上手なれ」と、生物学の見識を深める吉岡社長は「菌」に対する既成のイメージを変えるべく、志を同じくする社員とともに積極的な製品開発や研究活動を推進。特に、自身も農家で生まれたことから農業への活用を模索し、菌や微生物によって土壌を豊かにする「バイオ農法」を国内の農業特区だけでなく、ナイジェリアなどの発展途上国に提案している。
「納豆やヨーグルトに代表されるように、私たちは食生活を通して体に良い菌が存在することを知っています。これまで、多くの成分の中から有用な菌だけを抽出する〝引き算〟で行われて来た製品開発を、様々な菌を組み合わせて相乗効果を生む〝足し算〟に変えていきたいですね」(吉岡社長)
 蓄積してきた豊富な実験・研究データやサンプルを生かし、環境汚染対策に関わる数々の課題を解決してきた同社。最適な浄化方法を見出せない企業の駆け込み寺として、吉岡社長は「どんな依頼でも引き受けます」と意欲を燃やす

【会社データ】
本社=東京都新宿区西早稲田1―9―37 フラットワセダ101
☎=03―5272―1678
設立=1995年6月
従業員数=6名
事業内容=バクテリアを利用した浄化剤・油吸着土壌改良材の卸売など
http://www.biofuturejapan.com

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