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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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大金産業(シリーズNo.1049)

確かな技術と〝クセある〟人材が成長の原動力
社員・家族を守る2代目経営者の想い

池田 丈治 社長

 東京都大田区。約4000もの工場がひしめくモノづくりのメッカだ。そんな区内の一角、羽田空港のほど近くで、ベンチレースやフライス、NC旋盤、マシニングなどの設備を用いた金属加工の試作・量産を手掛けているのが、有限会社大金産業(池田丈治社長)だ。
 設立は1988年。もともとは区内の町工場で製造された部品を、大手メーカーに販売する商社だった。やがて、工場とメーカーの直接取引が増え、商社が淘汰される時代が訪れると予見。自社工場を設け、営業力と生産力を兼ね備えた企業へと生まれ変わった。
 全工程一貫した生産・管理ができるほか、1個からの生産や短納期にも対応し、ベンチレースによる大量生産も可能。コストパフォーマンスの高さが顧客からの信頼を集める理由だ。
 また、何らかの理由で納品が遅れた際は見積り金額の5%を返金するなど顧客本位の姿勢を徹底。現在では空調機器や光学機器、工具などあらゆる分野で同社の技術が役立てられている。
 同社を支えているのが頼もしい社員達。製造・営業・経理など各分野の〝英傑〟が集っている。昨年3月、取引先からのアドバイスもあり、営業マンが主体となって新規開拓に尽力。奮闘の結果、それまでの1社依存体制から脱却を果たす。今後はすべての顧客への高品質かつ均一なサービスの提供が課題だという。
 若手人材の採用・育成にも注力。こだわりや他人に負けない何かを持った〝クセある〟人材を求めている。そのために面接だけではなく、自動車の運転から仕事への適性や人間性を見るドライバーズテストなどのユニークな選考試験を導入していく予定だ。
「生み出した利益で人材を育て、人材の成長とともに設備投資をはかる。このサイクルを確立させることで、健全な成長を目指しています」(池田社長)
 製造業やサービス業など様々な職を経験した後、18年前に家業に入った池田社長。昨年9月に先代である父君から社長職を継いだ。愛妻家であり、2人の子の父親でもある。“公平な子育て”を信条としており、それは経営者として社員と接する時も同様だという。

企業としての責任を果たし
嘘のない会社であり続ける

 また、創業者である父君は池田社長にとって憧れの存在であり、よき相談相手。「勝負には待つ時がある」など経営哲学を学んでいる。
「社員が幸せで、家族が無事に生活でき、社会の役に立ち、納税の義務をしっかりと果たす。時として自分自身の身を切ることも辞さない。それが経営者としての責任です。社員や家族のためにはどんなことがあっても、知略を巡らせ、ベストな方法で会社を存続させます」(池田社長)
 まもなく設立30周年。言動と行動が食い違うことのない、嘘のない会社であり続けると今後へ向けた強い想いを語ってくれた

【会社データ】
本社=東京都大田区大森南3―31―12
☎=03―5735―0561
設立=1988年6月
資本金=300万円
社員数=10名
事業内容=切削加工、ワイヤーカット、放電加工等
http://www.daikinsangyo.com

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