PVDコーティング技術で他社を圧倒
「協働前進」を経営理念にさらなる飛躍を期す
清水 博之 社長
「当社に関わる全ての人が幸せであってほしい」―そう朗らかに話すのは、清水電設工業株式会社の清水博之社長。 同社は金属製品の強度や耐久性を高める熱処理や表面加工処理を施す装置の開発から販売・受託加工まで幅広く展開している。なかでもPVDコーティングの技術は全国でトップクラスといえる。PVDとは、高真空中でプラズマ現象を起こし、溶解したチタンやクロムなどの金属原子を表面に付着させる物理蒸着処理加工のこと。連続PVD装置を有するのは国内では同社だけで、委託加工の依頼は引きも切らないという。
また、さらなる高硬度、高耐熱性、潤滑性を目指した「ZERO―1コーティング」の開発など、現状に甘んじることなく技術力の向上にも余念がない。
意識改革と業務改革により
全社員が主体性を発揮
同社を率いる清水社長は米国・アイオワ州の大学でHR(人的資源の活用)を学んだ国際派だ。今年45歳になるこの若きリーダーは、米国関連会社の立ち上げ時から携わり、3年の間にたった一人で400社以上を飛び込み営業でまわる苦労を経験。その甲斐あって「現在取引のあるお客様のほとんどが当時からの付き合い」というほどの成果を残し、同社のグローバル展開の礎を築いた。
帰国後の2010年4月、3代目社長に就任した清水社長は積極的に社員の意識改革を行う。長年の顧客は大切な相手であるが、ともすれば御用聞きになりかねない。異国の地で鍛え上げられた鋭い目にはぬるま湯とさえ映った。新規開拓の重要性を説き、営業力を磨く。自身が経験してきたからこそ説得力のある言葉として受け入れられた。
加えて、情報力強化のために業務改革も推進し、本社、国内4工場、米国関連会社と分散しがちだった情報を共有するシステムを構築。月に一度の幹部会も開くようになった。
「上からも下からも活発に意見が飛び交うようになりました。働きやすい環境を作ることは経営者の責務です。社員一人ひとりが主体性を持って業務に取り組むことで、徐々にではありますが数字にも表れ始めています」(清水社長)
もう一つ忘れてはならないのが、企業の存在意義を示す「経営理念」だ。
「当社の強みを改めて考えると、『協働前進』という経営理念に行き着きます。お客様はもとより社員やその家族、つまり当社に関わる全ての方々と幸せな未来を築く。一見当たり前のことですが、当たり前のことを当たり前にやりきることは難しいことです。この経営理念を胸に、全社員がプライドを持てる会社でありたいと考えています」と夢を語る清水社長。
明るく風通しのいい社風と誇り高き社員たち。同社の真の魅力はそんなところにあるのかもしれない。
【会社データ】
本社=兵庫県尼崎市杭瀬南新町1丁目12―6
☎=06―6488―1501
設立=1949年2月
資本金=6300万円
事業内容=PVDコーティング装置の製造・販売、PVD・CVDコーティング及び真空熱処理の受託加工
http://www.seavac.co.jp
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