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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

住友重機械ハイマテックス(シリーズNo.1382)

圧延ロールで世界のものづくりを支える
1888年創業の創造的企業

木戸 敬彰 社長

 1691年の開坑から1973年の閉山まで、一貫して住友家が経営した愛媛県新居浜市の別子銅山。
 日本を代表する財閥である住友の礎となった、いわば聖地ともいえるこの銅山とともに歴史を刻んできたのが、住友重機械ハイマテックス株式会社である。 
 圧延ロール、表面処理、製鎖の三事業を中心に展開している同社。製鉄現場で鉄を加工するために用いられる熱間圧延用鋳造ロール総合メーカーとして、鋳鉄系ロール、鋼系ロール、ハイス系ロールを製造する。世界最大級の堅型遠心鋳造機や同社独自の熱処理炉を保有。特に自動車の駆動系部品素材や締結材などに使用される条鋼特殊鋼の分野では、国内で圧倒的なシェアを有しトップである。


 また、長年培ってきた技術から生み出した同社独自の粉末冶金技術を生かしたオリジナル表面処理製品は、耐摩耗性・耐食性・耐熱性・摺動性などが必要な部分にミリ単位でライニングすることを可能にした。「必要な部分に必要なだけの機能を付与できたら」という顧客のニーズに応えられる画期的な技術である。
 加えて、国内で唯一全ての製法に対応できるマリンチェーンメーカーとして、艦船用錨鎖、航路標識用鉄鎖では国内トップシェアを誇る。日本機械製鎖株式会社と大阪製鎖造機株式会社を引き継ぎ、新日本機械製鎖株式会社を経て、2008年に同社と合併。耐摩耗性に優れ、高強度、長寿命であることから護衛艦で使用されるスタッド一体型チェーンや、航路標識に使用される増肉型オープンリンクチェーンなどを製造する。
 同社の始まりは、1888年に住友別子鉱業所工作方として操業した、親会社である住友重機械工業の始まりでもある。1980年には鋳鍛造事業を主体とした住友重機械鋳鍛株式会社として分社独立し、2001年に現在の社名に改称。今日まで続く独自のスタイルを確立させてきた。

独自の品質マネジメントシステム
顧客価値の増大に応える

 住友グループというブランド力もさることながら、オーダーメイドで顧客の要望にしっかりと対応できることも魅力の一つ。また130年近く積み重ねてきた技術力に、最先端の品質マネジメントシステムを付加したのも同社の強みだ。
 世界の先端企業にならった6σ(シックスシグマ)システムを導入。「100万回の作業を実施しても不良品の発生率を3.4回に抑えようとする」手法のことをいい、統計分析手法や品質管理手法を用い、不良率を引き下げることにより顧客満足度の向上を目指す。ものづくりにおいてどうしても生まれてしまう品質のばらつき幅を、できる限り基準値に近づけ、品質特性の定量化に注力している。2002年にはISO9001も取得。品質の継続的改善を追求している。
 ハイマテックスとは、「ハイ」パフォーマンス、「マ」テリアル、「テ」クノロジー、無限大(X)を合わせた造語。製品を図面通りに作るだけでなく、顧客の高次元の要求に応え得る材料を提供したいという思いが込められている。

安心安全な職場環境
新たな事業展開も視野に

 昨年4月に就任した木戸敬彰社長。営業出身であることを生かし、顧客や顧客のもの作り現場に近い立場から自社製品を理解し、的確に市場や顧客のニーズをとらえてきた。
「重要視していることは、『安全・コンプライアンス』『品質』『顧客』『業績』の順序を間違わないことです。危険がつきものの職場ですから、安全が最優先。安全管理がしっかりとできていれば、自ずと製品品質も安定する。製品や業務の品質が高ければ、お客様に今以上の満足を提供する事が出来るので、結果として業績もついてくると考えています」
 加えて「安全確保のためには工場や職場がキレイでなければなりません。そのためにまずは整理整頓を心掛けるよう指導しています。まだまだ始めたばかりですが、キレイで働きやすい職場を目指します」(木戸社長)
 新卒社員を毎年採用しており、探求心や知的好奇心の高い社員を求めている。もちろん社員教育も充実。生産職は自立心を学ぶため自衛隊での3日間研修からスタートし、製造所共通プログラムでの教育を受けたのち職場に配属される。
 事務技術職は住友重機械全体で定められたプログラムに基づき3年間しっかりと学ぶことができる。研修の締めくくりは学んだ経験をどう仕事に生かすのかについて論文をまとめさせるそうだ。
 現在売上の15%程度が海外向けであるが、さらなる海外展開を目標としており、韓国や台湾に加え、需要が見込まれる東南アジアやインド、メキシコへの進出も視野に入れる。  
 現在、独自の表面処理技術や冶金技術を生かしたLMD(レーザーメタルデポジション)の設備を導入し実用化に向けて竣工式を済ませたばかりの同社。LMDとは、レーザーを対象金属に照射し、その照射領域に金属粉末を噴射することにより、粉末を溶解肉盛りするレーザークラッディングシステムのこと。エンジン部品やタービン翼面の必要な部分にのみ処理を行え、今まで期待に応えることのできなかった顧客のニーズに対して対応が可能になる。
 最後に木戸社長に今後の展望を聞いた。
「圧延ロール製造を始めて今年で66年を迎えます。この先100年を見据えて基盤をさらに堅固なものにしていきたい。また、ハイマテックスという社名に込めた想いを実現できる設備が備わりました。これを次の柱に育てていきたい」
 続けて「これからもお客様の要望に応え続けていきます。そのためには社員が安心・安全で安定した生活を送れる環境を整え、住友の名前を背負っているという自覚を持った仕事をする必要があります。さらなるグローバル化、ゆくゆくは女性社員や外国人の登用を増やしダイバーシティ化も目指していきたいですね」
 130年近く続く伝統とあくなき変革努力。挑戦を続けていく同社から今後も目が離せない。

【会社データ】
本社=愛媛県新居浜市忽開町5-2
☎=0897-32-6484
資本金=3億1000万円
従業員数=126名
事業内容=製鉄用圧延ロールの製造・販売、射出成形機用各種シリンダー製造・販売、表面処理製品製造・販売、錨鎖、鉄鎖、各種鎖の製造・販売
http://www.shi.co.jp/hmx

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