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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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イワフジ工業(シリーズNo.1083)

レジェンドたちのDNA受け継ぎ、一歩前へ!
高性能林業機械で〝メイド・イン・岩手〟発信


及川 雅之 社長

偉人の街、岩手県奥州市水沢区に脈々と流れ続けるトップエンジニアのDNAがある。2015年に創業65周年を迎えるイワフジ工業株式会社は、先人たちの優れた〝設計思想〟と情熱を受け継ぐ林業機械のリードカンパニーだ。


「改めて創業の祖を顧みると、当社が実に驚異的なDNAを持っているかがわかります。業界の先駆けとして機械化をリードし、歴史を切り拓いてきた社名に誇りを持ち、常に新しい分野にチャレンジしています」と話すのは、及川雅之社長同社に流れるDNAの源は、太平洋戦争時に〝東洋最大〟と謳われた航空機メーカー「中島飛行機」だ。

一式戦闘機「隼」を開発・製造し、「零戦」のライセンス生産も行っていた中島飛行機には〝レジェンド〟設計技師が集結。アニメーション映画『風立ちぬ』で主人公のモデルとなった堀越二郎氏と双璧を成す小山悌氏もその一人だ。また、部下として彼を支えたのが「日本の宇宙開発の父」として名高い糸川英夫氏。後に同社の顧問を歴任した。

 終戦後、林業に強い関心を抱き、勉学と研究を積み重ねた小山氏らは49年、同社のルーツとなる「Y-22型集材機」を開発。翌年に「富士産業」と改称した中島飛行機が解散し、12社に分社された中の1社として小山氏を初代社長とする同社が創業した。社名は「岩手富士産業」。「イワフジ」という現社名は「岩」と「富士」を継承したものである。

「分社後も、いまや各業界の大手に成長した同胞会社に技術指導を行う程の高い技術力を保ち、いずれまた飛行機を作りたいという思いを持ち続けていたようです。我々が今日提供している製品の中には、飛行機製造の思想が入っているものもあります」(及川社長)

その後、林業用ウインチ(巻き揚げ機)などを開発し、林野庁を中心に豊富な納入実績を蓄積してきた同社は、南極・昭和基地にも導入されたトラクタなど、当時の市場を席巻するオリジナル製品を次々と世に送り出して伐出作業の現場を変革。林業機械として開発された小型油圧ショベル「ミニバックホー」は林業に留まらず、水道工事業者からも引き合いが相次いだ。

平成の時代に入り、林業機械のパイオニアとして自走式搬器「ラジキャリ」や材木を掴むアタッチメント「グラップル」など、幾多の最新鋭機械を開発してきた同社に大きな転機が訪れる。産業として林業を再生し、北欧やカナダといった先進国を追随するため、林野庁が一つの工程の中で2つ以上の仕事ができる大型林業機械「高性能林業機械」の国産化を決定したのだ。

「山林の傾斜や土質、レギュレーションが海外とは異なるため非常に難しい技術が求められましたが、指定の7機種を着実に開発し、網羅しています。日本の林業のために大手油圧ショベルメーカーともタッグを組み、積極的な技術交流を行っています」(及川社長)

 チェーンソーや刈払機など従来の機械に比べ、性能や作業の効率性、作業員の安全性を著しく高める高性能林業機械。同社は、油圧制御や電子制御など全ての製造工程を自社内で完結できる国内屈指の本社工場を基点に、高性能林業機械のプランニングからメンテナンスまでをトータルに提案・サポートするため、全国各地に支店と代理店ネットワークを構築している。

「充実したサービス体制でお客様の要望に応えながらレベルアップしていきます。アフターフォローも徹底し、お客様と一生涯のお付き合いをしていきたいですね」と語る及川社長は、データベース化による顧客管理の徹底を推進。他社が追随できない〝痒いところに手が届く〟サービスを目指す。

高性能林業機械の開拓者
ワンストップの生産体制

また、日本の林業がさらに発展するためには作業員の地位向上が欠かせないと考える及川社長。同社では、メンテナンス研修を通じて作業員の意識とスキルのレベルアップを図るほか、環境関連機器の製造やISO14001の活動など、山林と密に関わる環境問題にも積極的に取り組んでいる。

「欧米で『フォレストマシンメーカー』は自動車メーカーに匹敵するくらいステータスが高く、山林の管理までを学ぶ『フォレスター』という大学院レベルの資格もあります」(及川社長)

 業界リーダーとして揺るぎないポジションを確立し、近年、右肩上がりに業績を伸ばし続ける同社。同じく飛行機製造会社を前身とする現在の親会社、新明和工業と共に国内に軸足を置きながら将来を予見し、好機を掴んで東南アジアなど海外への輸出も模索している。

木造住宅の減少などトレンドはありますが、木という資源は無くなりません。戦後に植えた木が収穫期を迎えている昨今、林業は未成熟であるが故に日本では数少ない〝成長市場〟。各社が補助金への依存から自立し、収益性の高い独自のビジネスモデルを構築するチャンスです」(及川社長)

 そして今、同社は次代の中核を担う若き人材の採用と育成に注力している。及川社長は次のように話す。

「社員には自主的な行動を促し、『お客様が製品を買って頂けるから給料をもらえるのだ』と、常に話しています。採用基準は『コミュニケーション』『好奇心』『健康(心身ともに)』の3つ。中でも『好奇心』を重視し、『一歩でも前に』という考え方さえあれば、県内だけでなく他県や他社から来る方も歓迎します」

時代を創ってきた匠の技術を伝承し、地元地域に根ざして人と産業を育ててきた岩手の雄。〝レジェンド〟製品のリバイバル事業にもチャレンジし、及川社長は手応えを掴んでいる。

「メイド・イン・岩手」に息づく唯一無二のDNAは新たな挑戦・進化のエネルギーとして全身に流れ、確実に同社を〝一歩前へ〟と押し進めている。

【会社データ】

本社=岩手県奥州市水沢区字桜屋敷西5―1

☎=0197―23―3111

創業=1950年8月

資本金=3億円

従業員数=230名

売上高=64億2000万円

事業内容=林業機械、環境機器、特装車の製造販売

http://www.iwafuji.co.jp

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