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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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アクアス(シリーズNo.1084)

循環型社会の〝起爆剤〟が日本上陸!
バイオガス発電システムのパイオニア


長屋 文雄 社長
 
 環境先進国ドイツで約8700基のプラントが稼動し、再生可能エネルギーの中核的なポジションを担う「バイオガス発電」。

 株式会社アクアスは、水処理施設のプラントや空調設備の設計・施工・保守管理業務で35年以上培ってきた技術とノウハウの集大成として、バイオガス発電システムの構築をトータルにプロデュースしている。

「バイオガス発電に用いられる技術には、水処理に通じるものがあります。『捨てるものが何も無い』という今までに無いスキームを構築し、真の循環型社会を実現させることが使命です」
 と話す長屋文雄社長。2007年に幕張で行われた展示会を訪れた際、ドイツの大手バイオガス発電システムメーカー「エンスパー社」のハンス社長と出会い、最先端の技術に魅了されたことをきっかけに、日本総代理店としてバイオガス発電の普及をリードしている。

 バイオガス発電は、食品残渣や家畜の糞尿といった有機廃棄物をバクテリアの力で発酵させ、メタンガスや硫化水素などのバイオガスを生成して発電に用いる仕組みだ。生物資源を〝燃やさない〟ことが「バイオマス発電」との明確な違いであり、環境破壊への影響が極めて少ない。発酵槽内に残った消化液も安全な液肥として二次利用できる。

 また、天候や時間帯に左右されずに24時間365日稼動できるため、安定した電力供給と売電収入の確保が可能。熟成したバイオガスや消化液は異臭も無く、廃棄物の量が軽減することで焼却コストの抑制にも繋がる。堆肥の処理に苦慮する農家や酪農家にとって、実に有効な発電システムだ。

「バイオガス発電は機械ではなく、生物を相手にするシステムであるため、プラント設置後の運用こそが最も大切。日本の精製技術は素晴らしいものがありますが、燃料に不純物が入ると機械が止まってしまいます。機械を作ることではなく、発電することを目的に開発されたのがエンスパー社のプラントです」(長屋社長)

 至極シンプルに設計されたエンスパー社のプラントは移動・移設が容易なため既存プラントの増設にも順応。遠隔監視・制御システムによって安定した稼動を維持するなど、徹底的に運用メリットを追求している。
 
地域の雇用と産業を循環
東南アジア進出も視野に
 
 15年3月にはパイロットプラントの建設を着工し、運用サポートや技術指導にも力を入れていく同社。エネルギーだけでなく、地域の雇用、そして産業そのものを生み出そうとしている。

「バイオガス発電は一次から六次まで、あらゆる産業を循環させることができる〝起爆剤〟です。日本国内だけでなく、人口が多く、広大な土地がありながらも送電インフラが整っていない東南アジアでは需要が大きいでしょう」(長屋社長)
 迫る電力改革。次世代を担うエネルギー市場に新たな選択肢が加わった。

【会社データ】
本社=愛知県小牧市西之島967―1
☎=0568―73―5086
設立=2009年11月
資本金=1500万円
従業員数=35名
事業内容=バイオガス発電事業、水処理・空調設備の設計・施工・保守管理など

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