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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

三協(全国ふるさと企業の研究)

ソフトカプセル自動機のパイオニアメーカー
健康食品OEM製造で“SEFETY”届ける

石川 俊光 社長

 新たな機能性表示制度が始まり、活況が期待される健康食品市場。消費者にとってより安全・安心な商品開発が求められる中、健康食品の企画開発から最終包装、さらにはカプセル製造機の開発販売・技術支援までをワンストップでサポートし、メーカー各社から絶対的な信頼を獲得しているOEM製造会社が株式会社三協である。
 本社を構えるのは、日本が誇る世界文化遺産『富士山』の裾野、静岡県富士市。機械部を置く「富士見工場」と、健康食品の受託製造工場として技術・品質の中核を担い、化粧品も取り扱う「日の出工場」の2工場を同市内に展開している。
 昨年4月にソフトカプセル専用棟を竣工した日の出工場では充填・乾燥・自動検査を一連で行う製造ラインを構築し、原料調達からパッケージングまで一貫生産できる体制を整備。100分の1単位でゼラチンシートの厚さを調整しながらソフトカプセルを製造できる世界にも比類ない充填機のほか、同業他社の2倍近いスピードを実現している三方包装機やタンブラー乾燥機など、自社製造のソフトカプセル自動機が同社にとって最大の強みだ。
「当社は機械加工を行う鉄工所からスタートした会社です。中には大変苦労して開発した機械もありますが、『メード・イン・三協』の技術力があるからこそ、コストやスピードのメリットを生み出しているのです」
 と、技術力への自信を口にする石川俊光社長。大手機械メーカーの研究所に勤務した後に独立し、同じくサラリーマンであった父を説得して二人で創業した。
 以来、他社に先駆けて様々な自動機や高性能の画像解析技術を駆使した検査装置などを開発。蓄積された生産技術とノウハウをベースにして始まったのが健康食品のOEM製造である。
 ソフトだけでなくハードカプセルや錠剤、顆粒などあらゆる種類の健康食品を生産し、小分け包装も行う同社。現場を知り尽くした機械とノウハウによって、素材の検討や試作・試験などを要する新商品開発をバックアップする。
 また、日の出工場はISO22000(食品安全性マネジメントシステム)や、公益財団法人日本健康・栄養食品協会による「GMP(適性製造規範)」の一貫工程認証、さらには公衆衛生・安全分野の国際的第三者機関である米国NSFインターナショナルからも「cGMP」認証を取得。万全の品質管理体制で商品の安全性を確保し、経営理念に掲げる「品質至上」を具現化している。
「口に入る健康食品だからこそ衛生面に配慮するのは当然。従業員には常に『自分が作った商品を食べられるのか』を意識するように話しています」(石川社長)

日本屈指の優良企業に感銘
年輪経営で従業員を幸せに

 創業から半世紀以上、機械・商品の双方の製造に世界トップレベルの技術力を発揮し、常に成長路線を歩み続けてきた同社。しかし、石川社長は業績や規模の拡大だけを追求するのではなく、従業員と地域の“幸せ”を最優先に考えている。
 転機となったのは20年前、長野県で寒天などを製造する伊那食品工業㈱への工場見学。石川社長は何気なく女性従業員に問いかけた。
「あなたは、この会社に入って良かったですか」
 彼女は即答した。
「私“たち”はとても幸せです」
 答えを聞き、伊那食品工業の当時の社長、塚越寛・現会長が実践する「年輪経営」に大きな感銘を受けた。
「企業は儲けることが当たり前ではなく、『50年後も生き残るために従業員を幸せにしなければならない』と痛感しました。同じ目標を持つ従業員とその家族が一人でも多く、幸せになれる会社を目指しています」
 と、石川社長は語る。その後、毎年6月に祭りを開催する伊那食品工業に習い、地域の子供たちも集めて「ホタル祭り」を催すほか、完熟した“採れたて”の美味しさを従業員に味わってもらうためにバナナやマンゴーを自ら栽培。「製造業に興味を持ってもらいたい」という願いから、地元の学校を工場見学に招いている。
 石川社長の愛情は教育を通じて社内にも浸透し、誠実で丁寧な来客対応が徹底されている。定期的に行う地域清掃活動は従業員たちから声が上がって始まった。
 また、毎日平均2万3000歩も歩き、円周率の少数点以下を39桁まで暗記しているほどの“若さ”を保つ石川社長。60歳以上の社員の中から有志を集め、農業にもチャレンジしている。

島根工場建設に見る「夢」
新境地で100年企業へ

「長年蓄えてきた機械製造の技術力と高まる健康食品へのニーズがありますが、これからは異業種に参入しなければ生き残れません。今までと全く違う分野に進出し、次の世代にバトンを繋げることが私の夢です」
 と話す石川社長はホールディングス(持株会社)を設立し、新規事業に挑戦する体制を整えた。グループ会社として立ち上げた不妊治療専門の医療機器メーカー、㈱サンキョーメディックにも大きな期待がかかる。
 そして今、石川社長が最も情熱を注いでいるのが島根県への新工場建設だ。予定地である川本町は、健康食品の素材としても注目されるエゴマの産地でもある。
「地方には地元の方々が働ける場所が足りません。雇用創出によって島根県を活性化する一助になれば嬉しいですね」(石川社長)
 新たな地で、100年企業への挑戦が始まる。    

【会社データ】
本社=静岡県富士市伝法
573―13
☎=0545―22―2558
設立=1963年5月
資本金=3000万円
社員数=約300名
売上高=約96億円
事業内容=健康食品受託製造及び機械製造など
http://www.sankyocoltd.co.jp

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