農耕畜産連携の循環型事業を実現食の力で日本の未来を創る
藤橋 拓志 社長
「中東に位置するイスラエルは決して農業に適した国ではありません。国土の大半が乾燥地に覆われていますから。水は極端に少なく、当然ながら水がなければ食物も育たない。ところが、この砂漠の国は、実は世界有数の農業立国であり、食料自給率は100%に近く、自国で自給するだけにとどまらず、多くの農産物を世界中に輸出しているんです」 と教えてくれたのは、株式会社藤橋商店の藤橋拓志社長。イスラエル視察旅行から帰国したばかりというその顔は真っ黒に日焼けしていた。 かの国の苦難の歴史についてはここでは多くを語らないが、1948年の建国からわずか20年で、農産物の輸出国に飛躍を遂げたのは歴然たる事実。そして現在では、日本と同程度の輸出量があるという。日本の農業人口400万人に対し、イスラエルは8万人にもかかわらず、だ。この奇跡と言っても過言ではない偉業に大きく貢献した技術が「点滴灌漑」である。 点滴灌漑とは、文字通り病院で受ける点滴と同様に、植物に一滴ずつ水を与える栽培方法のこと。発明された当時の目的は単に水の節約だったが、この技術のメリットとして、ゆっくりと灌水することで、根に必要な酸素が土の中に保たれ、根の活動が活発になることが後に判明した。節水と収穫量の増加、品質の向上を実現しただけでなく、無駄な肥料をまくこともなくなるので、経済的であると同時に環境にも優しい技術と言えるだろう。
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