忍者ブログ
Home > > [PR] Home > 商社・販売・物流・アウトソーシング > 藤橋商店(シリーズNo.1600)

logo

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

藤橋商店(シリーズNo.1600)

農耕畜産連携の循環型事業を実現
食の力で日本の未来を創る


藤橋 拓志 社長

「中東に位置するイスラエルは決して農業に適した国ではありません。国土の大半が乾燥地に覆われていますから。水は極端に少なく、当然ながら水がなければ食物も育たない。ところが、この砂漠の国は、実は世界有数の農業立国であり、食料自給率は100%に近く、自国で自給するだけにとどまらず、多くの農産物を世界中に輸出しているんです」
 と教えてくれたのは、株式会社藤橋商店の藤橋拓志社長。イスラエル視察旅行から帰国したばかりというその顔は真っ黒に日焼けしていた。
 かの国の苦難の歴史についてはここでは多くを語らないが、1948年の建国からわずか20年で、農産物の輸出国に飛躍を遂げたのは歴然たる事実。そして現在では、日本と同程度の輸出量があるという。日本の農業人口400万人に対し、イスラエルは8万人にもかかわらず、だ。この奇跡と言っても過言ではない偉業に大きく貢献した技術が「点滴灌漑」である。
 点滴灌漑とは、文字通り病院で受ける点滴と同様に、植物に一滴ずつ水を与える栽培方法のこと。発明された当時の目的は単に水の節約だったが、この技術のメリットとして、ゆっくりと灌水することで、根に必要な酸素が土の中に保たれ、根の活動が活発になることが後に判明した。節水と収穫量の増加、品質の向上を実現しただけでなく、無駄な肥料をまくこともなくなるので、経済的であると同時に環境にも優しい技術と言えるだろう。


「農業は命の源である食に関わる大切な職業です。農業の発展は国力を強化し、農業の衰退はすなわち国力の衰えに繋がっていきます。過酷な条件下にありながら、知恵を絞り、短期間のうちに不可能を可能へと導いたイスラエルに、私たちも学ぶべきところがあるのではないでしょうか」

食卓に笑顔を!
日本の農業を元気に!

 同社の始まりは1915年(大正4年)、初代社長の藤橋豊二郎が畜産農家への飼料販売を起業したことに端を発する。その後、1982年に養鶏(育雛)事業を営む新宮ファームを、続いて1988年に鶏卵生産事業の村上ポートリーを、さらに2003年には、フィード・ワンとともに西日本マジックパールを設立し、味付けゆでたまごなどの鶏卵加工事業を開始した。
 100年を超える歴史を刻み、その道では知る人ぞ知る同社が、一般の人々にも認知されるきっかけになったのが藤橋家厳選卵「夢そだち」の存在だ。
 播州姫路の奥座敷、霊峰・雪彦山のふもとにある直営養鶏場では、約20万羽の鶏が毎日元気に卵を産んでいる。自社で生産した飼料米をブレンドした栄養価の高いエサを与えつつ、リラックスした環境を作るため、モーツァルトを舎内に流しているというから面白い。
 こうして愛情たっぷりに育てられた鶏が産む「夢そだち」は、世界文化遺産・姫路城の門前にある玉子かけご飯専門店「たまごや」で味わうことができる。来店客からは「一度食べたら忘れられない」と大好評で、メディア取材もひっきりなしに訪れるという。
 現在はオンラインショップ「たまごや通心」でも取り寄せ可能なので、一度ご賞味いただきたい。少しの臭みもなく、口いっぱいに広がる濃厚で優しい甘さが、いつまでも余韻として残るだろう。
 そして、同社は衰退を続ける農業の危機を食い止めるべく2007年に農業事業を立ち上げた。
「日本の食料自給率は約40%と低迷しているのは皆様もご承知の通りです。にもかかわらず、田畑はどんどん捨てられ、農業を営む人達の平均年齢は70歳を超えています。私たちは『食の力で日本の未来を創る』をスローガンに、農耕畜産連携の循環型事業の構築を目指しています」
 鶏は餌を食べ糞をする。その糞を十分発酵させた有機堆肥は、農業にとって欠かせない価値の高いものだ。その有機堆肥を、農業事業に活用し米を生産し、飼料米として鶏に与えている。加えて、地元農家と力を合わせ、餌用の米の生産を拡大。また、野菜作りにも有機堆肥を活用してもらい、生産された野菜や米を同社の販売力を生かし、近隣の飲食店や八百屋、スーパー等に供給して、地産地消にも注力している。
「当社独自のサイクルを基にした循環型農業が、いつしか大きな輪になり、未来の子どもたちに託すことのできる、元気な日本の農業につながるようチャレンジを続けていきます」と話す藤橋社長のもとには多くの優秀な人材が集う。事業の魅力はもちろんのことだが、大半の新卒・中途採用社員は経営理念の思いに惹かれ、心から賛同し入社を決めたという。

この世の中を愛情溢れる
明るい世界にする

【笑顔と喜びと活気に溢れ、優れたる多くの人々が集い真に社会に貢献し、食の源である畜産・農林漁業を支え発展させる日本一の創造力みなぎる企業となる】――藤橋社長が心の師と仰ぐ中村天風をはじめ、カーネギーやドラッカー、二宮尊徳などのエッセンスも取り入れ策定されたこの経営理念が示す通り、同社社員は国の根幹を担うことを使命とし、大いなる誇りを持って日々の業務に邁進している。
 今後はM&Aも視野に、現在70億円ある売上を5年以内に250億円に伸ばす目標を立てている。また、日本国内のみならず、カンボジアにおける現地法人設立を皮切りに、高品質な有機堆肥と高性能な全自動肥料袋詰め機をアジア諸国に向けて販売していくという同社。
 弘法大師空海の教えにこんな言葉がある。「一燈照隅」―素敵な笑顔と朗らかな心がまわりを一変させるという意味合いだ。自分が光れば、周囲も光る。藤橋商店とはまさに、無数の縁を育み、喜びと勇気と希望を与える太陽のような存在に感じられた。       

【会社データ】
本社=兵庫県たつの市新宮町井野原143番地
☎=0791―75―2651
創業=1915年10月
資本金=2900万円
従業員数=136名
売上高=70億円
事業内容=畜産用飼料の販売、鶏卵の生産・加工・販売、農業事業の企画・運営、技術・経営支援のコンサルティング、飲食店の経営、食料流通販売 
http://www.fsm.jp

拍手[2回]

PR
コメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード

『サンデー毎日』最新号絶賛発売中!

サンデー毎日 2021年2月7日号 [雑誌]

2021年2月7日号

ブログ内検索

新着記事

運営会社

株式会社エスコミュニケーション
編集タイアップ企画のパイオニアとして、頑張る日本の中小企業を応援しています。マスメディアでは報道されない各社の素顔と魅力をお届けします。
《掲載をご希望の場合はこちらまで》
s-comm@s-comm.co.jp

P R