いつの時代にも求められる“人間になろう”
専門性の高い7学部が揃う女子総合大学
森棟 公夫 学長
人間論――。椙山女学園大学に通う全学生はこの必修科目で学園の歴史や女性としてのキャリアデザイン、教育理念“人間になろう”について学びを深める。
初代学園長・椙山正弌により、1905年に名古屋裁縫女学校として創立した同学。彼が志した“教育による人づくり”を源流とする教育理念は、「ひとを大切にできる人間」「ひとと支えあえる人間」「自らがんばれる人間」を学生自らが目指す風土を培っている。
戦後の学制改革を受け、49年に中部地方で初めて新制大学に認可された同学は、女子教育の普及・進学率の向上、キャンパス周辺の市街地化と合わせて成長を重ねてきた。いつの時代も「社会が求める教育」を追求し、現在では日本の女子大として最多の7学部を有している。森棟公夫学長は経営の姿勢をこう話す。
「私立大学は自分たちの力で存続していかなくてはなりません。カリキュラムや制度を研鑽し、教職員が一丸となって、学生にとって魅力のある場所であり続けるべく取り組んでいます」
今年4月に新設した「キャリア育成センター」では、職員に加えて教員も参加し、キャリア教育と就職支援を一体的に展開。就職活動支援の充実化を図っている。面接対策として開かれるマナー講座は20年以上の歴史を持ち、ほぼ全ての学生が受講を希望する。彼女らの実力は、企業から「マナーの椙山」と評されるほどだ。
また、少人数教育による実践的できめ細かな指導が奏功し、学生が教員に対して勉学や進路、私生活に至るまで相談するほど親しい関係が作られるという。
2012年に森棟学長が就任してからは文科省の私学助成金の受給に向けて積極的に取り組み、同学の基礎力養成に当たっている。
「学生は皆、素直で明るく、元気で真面目。こういった人は必ず組織の中核として活躍できるでしょう。自学部で専門性を高めながら、社会に出た時に総合大学の卒業生として強みを生かせるよう、他学部のことも知っておいて欲しいですね」
と話す森棟学長。今年度から、学部の垣根を超えた教養科目の受講が可能になったことで、学生が様々な志と出会い、互いに刺激となることを望んでいる。
大学院を含め、これまで延べ50761人が同学を卒業し、地域文化の一翼を担ってきた。今年は過去最多1500人が入学し、中には親子2代、3代と通う学生も多い。森棟学長は自身の使命をこう語る。
「地域密着の伝統ある大学として、あらゆる方からの期待に応え続けなくてはいけません。だからこそ学生が学生生活をエンジョイできる場所でありたい。『椙山は楽しかった』と卒業生が言ってくれることが何よりも嬉しいですね」
【大学データ(問い合わせ先)】
星が丘キャンパス=愛知県名古屋市千種区星が丘元町17―3
☎=052―781―1186
日進キャンパス=愛知県日進市竹の山3―2005
☎=0561―74―1186
創立=1905年
学生数=5820人
学部=生活科学部・国際コミュニケーション学部・人間関係学部・文化情報学部・現代マネジメント学部・教育学部・看護学部
http://www.sugiyama-u.ac.jp
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