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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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新潟薬科大学(学長インタビュー)

大学で焼酎を開発? アイドルを研究員に任命?
異彩を放つ地域密着型大学の挑戦

寺田 弘 学長

 日本が誇る酒処、新潟県。県内には90蔵以上の酒蔵が点在し、長い歴史の中で各蔵が競い合いながら全国屈指の醸造発酵技術を育んできた。そんな中、産学官連携でブランド麦焼酎を開発した県内の大学が話題を集めている。新潟薬科大学だ。


 銘柄は「越後麦焼酎 六条」。新発田市の金升酒造と農研機構・中央農業総合研究センター北陸研究センターが開発した六条皮麦新品種「ゆきみ六条」を原料とし、さわやかな味わいが好評を博している。
「大学とは、学生とともに未来を語る場であるべき。こぢんまりと縮こまっているだけでは未来はない。新たなことに果敢にチャレンジを続ける大学でありたいですね」
 こう力強く語るのは、2013年4月の学長就任以来、持ち前の柔軟な発想力と決断力、行動力で大学改革を推し進めている寺田弘学長(薬学博士)だ。
 同学の創立は1977年。母体である学校法人新潟科学技術学園が掲げる建学の精神「実学一体」に則り、薬学部と応用生命科学部の2学部3学科で徹底した実学教育を実践している。
 薬学部は就職率100%を誇り、卒業生の多くが薬剤師として活躍。「食品科学」「環境科学」「バイオ工学」「理科教職」の4コースが設けられている応用生命科学部は、食やバイオに関連する企業や公的機関に人材を送り出している。大学院進学実績も豊富だ。
 応用生命科学部には、今年4月に生命産業創造学科を新設。同学科は食・農・環境の基礎知識を学びながら経営・経済分野に関する専門知識を身につけ、生命産業における企画・マネジメントを行う人材の育成を目指している。2016年4月には、学部の新たな拠点として新津駅東口キャンパスも開設される予定だ。
「産業界からの要請もあり、当学初の文系学科としてスタートしました。ビジネスの世界で即戦力として活躍できる人材を輩出していきます」(寺田学長)
 同学科では、長岡市のNPO法人プロジェクト88と新潟市の今代司酒造の協力のもと、幻の酒米とされる新潟県の在来米「白藤」を使った米糀100%の甘酒も開発。仕込みとボトルのラベルデザインを学生が担い、新宿髙島屋で開催された「第8回『大学は美味しい!!』フェア」に出品し、好評を博した。
 こうした既存の大学の枠組みを超えた数々の斬新な取り組みの中でも、現在多くの話題をさらっているのが、全国CDデビューも果たしている新潟発の人気アイドルグループ「Negicco」のKaedeさんを特定研究員に任命したことだ。
 新潟大学工学部化学システム工学科出身のKaedeさんは、高校在学中は薬剤師を目指し、学業と芸能活動を両立させていた才女。今後は白衣を着たアイドルとして、本格的に研究活動に従事していくという。
「何気なく地元紙を眺めていたら、Kaedeさんのインタビュー記事が掲載されていました。何かコラボレーションできるのではと思い、すぐに所属事務所に連絡しました」(寺田学長)
 秋田県立秋田高校卒業後、京都大学医学部薬学科に進み、これまで一貫して薬学研究の道を歩んできた寺田学長。日本薬学会会頭、東京理科大学薬学部DDS研究センター長などを務めてきた、日本を代表する薬効物理化学研究者だ。

「健康・自立」の実現と
災害薬学の確立を目指す

 まもなく傘寿を迎える今も、研究者として現役を貫く寺田学長。近年は「健康・自立」の実現を、学部の垣根を超えた中心課題に掲げて活動している。
「健康で自立した生活を送るためには、食事がきわめて重要です。そして、精神的な若さを保ち続けることも大切。『健康・自立』を地域に根付かせる一助になりたいですね」(寺田学長)
 この「健康・自立」を直接実行する研究組織として、同学は「健康・自立総合研究機構」、その成果などを地域に広める「健康推進連携センター」を開設。すでに「かむ」という口の運動が全身の生理機能にどのような影響を与えるかという研究を開始し、地域住民に向けた「健康・自立」公開講座も定期的に開催している。
 寺田学長は、あらゆる危機(=災害)に薬学がどのように寄与できるかを考え、新たなリスクマネジメントの概念である「災害薬学」の確立にも意欲を見せる。
「災害という言葉を多面的に考えた時、様々な災害に対し薬学はどのような解決策を提供できるか。薬学とは化学物質に対して責任を負う学問。その役割は、いわば人体の“災害”である疾病を治すためだけにとどまりません。例えば地震などの自然災害が発生した際、被災地における薬の適切な仕分けや遠隔医療と連携した患者のケアを考えることも薬学の範疇だと考えます。自然災害の多い新潟県の大学だからこそ、広い視野を持って薬学の可能性を追究することは当学の責務だと考えています」(寺田学長)
 寺田学長の座右の銘は、「一専多能」。一つ専門の道を極め、それを他の分野にも相乗的・多面的に広げていくという意味だ。その言葉を体現するように、寺田学長は薬学を自らの中心軸とし、あらゆる方向に見識を広めてきた。
 地域社会の一員となり、新たな価値を創造することが“地域密着型大学”の生きる道。同学は新潟市や商工会議所などと連携し、まちなか活性化や秋葉区民の健康づくり、里山の利活用を目指す3つのプロジェクトにも参加している。
 少子高齢化の影響で、定員割れに悩む大学も目立つ昨今。特色ある大学づくりこそが厳しい時代を生き抜く鍵となる。地域社会に溶け込み、新たな知を探求し、実践を通じて生まれた成果を地域社会に還元していく。そんな同学の姿勢に、さらなる期待が高まる。   

【大学データ(問い合わせ先)】
住所=新潟県新潟市秋葉区東島265―1
☎=0250―25―5000
創立=1977年4月
学生数=1602名
学部=薬学部、応用生命科学部、大学院
http://www.nupals.ac.jp

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