東京港の渋滞問題解決に挑む!
海上コンテナ陸上輸送のパイオニア
土屋 廣明 社長
日本を代表する国際貿易港、東京港――。貨物取扱量8279万トン(世界48位)、コンテナ輸送量439万TEUを誇り、日本物流の中核を担うこの港が今、大きな問題に直面している。
一部のコンテナターミナルで、想定を上回る輸入貨物量の増加により、ゲートの受付を待つコンテナ車両が大渋滞を起こしているのだ。特に長期休みや台風など天候不良時は混雑が激化。ドライバーが並びについてから出るまで6~8時間を要する日もあり、ドライバーの長時間労働や作業効率悪化による収入低下なども招いている。
「この状況が、深刻な社会問題であるドライバー・トラック不足に拍車を掛け、海上コンテナ輸送業者の減少やドレージ車両不足を引き起こしている。こうした“海コン離れ”が続けば、日本の物流網はまひする恐れがある。東京港の物流インフラ整備は急務です」
こう警鐘を鳴らすのは、国内外合わせ165社ある日本郵船グループの1社、日本コンテナ輸送株式会社の土屋廣明社長だ。同社は日本郵船がフルコンテナ船に乗り出した1967年、国際海上コンテナ陸上輸送業者として日本通運との共同出資により設立された。
関東トラック協会海上コンテナ部会に435社もの企業が所属するほど多くの海上コンテナ運送会社が犇く中、業界のパイオニアとして長年実績を積む同社。5大港に拠点を構え、年間21万本のコンテナを扱っている。専業海上コンテナ運送会社では唯一、AEO特定保税運送者を認証し、安心・安全面でも高いサービスと品質を提供している。
24時間ゲートオープンへ!
陸上輸送に新たな付加価値も
混雑問題の要因は、8時30分~16時30分と短すぎるゲートの受付時間にある。間に昼休みもあるため、実質6時間半しか開いていない。また、港湾内でトラックよりも本船荷役の方が優先されていることも原因の1つとされている。
「世界に目を向けると、フィリピン・マニラでは市内混雑対策で、トラックの通行規制を行ったため、港のコンテナ物流がまひした。最近は円安や増税などで輸入貨物が減っているため、極端なコンテナ車両の需給逼迫はないもののドライバーや運送業者の“海コン離れ”は確実に進んでいます」(土屋社長)
問題解決のためには諸外国のような24時間ゲートオープンなどが必要とされる。同社では種田光男常務が東京都トラック協会海上コンテナ専門部会と関東トラック協会海上コンテナ部会の部会長を兼務し、“海コン離れ”の真因たる混雑問題解決に取り組んでいる。
また、現場作業のムダ・ムラ・ムリを解消するべく、コンテナのラウンドユースや国内運送への転用など、車両稼働向上の取り組みに注力。海上コンテナの陸上輸送に新たな付加価値を創造し、今後も業界をリードし続けていく覚悟だ。
【会社データ】
本社=東京都品川区八潮2―7―8
☎=03―3790―6471設立=1967年6月
資本金=2億5000万円
売上高=69億円
従業員数=115名
事業内容=一般貨物自動車運送・貨物取扱い事業など
http://www.ncyjp.co.jp
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