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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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高周波鋳造(シリーズNo.1172)

“独立系”鋳鉄品メーカーとして確固たる競争力
多様なニーズに応える熟練の技術と一貫生産体制

山﨑 雅人 社長

 砂鉄資源を豊富に湛え、かつて鉄鋼業が隆盛を誇った青森県・八戸市。高周波鋳造株式会社は戦前から受け継がれる熟練の技術と国内屈指の生産設備を擁し、同市の工業都市化をリードしてきた。


 前身である日本砂鉄鋼業(1937年創設)の工場及び砂鉄鉱区の買収を経て特殊鋼の大手老舗メーカー、日本高周波鋼業㈱八戸工場として同社が設立したのは51年。良質な銑鉄の安定供給源を求めていた神戸製鋼のグループ傘下に入った。
「日本の白砂青松百選」の一つに数えられる淋代海岸の「南部砂鉄」を原料とし、製鋼用銑鉄や鋳物用銑鉄を製造していた。
 その後、鋳物の製造にシフトし、81年に日本高周波鋼業㈱から分離独立。現社名となった同社は鋳物専業メーカーとしての道を歩み、強靭なダクタイル鋳物製品を製造し、高い技術力を如何なく発揮してきた。
 どのメーカー系列にも属さない“独立系”であることが最大の強みだ。
「日本の鋳造業大手は自動車をはじめとするメーカー系列の会社が多く、ユーザーに中々物を言えない体質が残っています。自分たちでユーザーを開拓し、交渉する力が無ければ収益力と競争力は高まりません」
 と話す山﨑雅人社長は、神戸製鋼で長年営業畑を歩んだ後、10年前から同社に入社。ユーザー業種の偏りを解消して裾野を広げることから改革に着手した。そして現在、同社はトラックを中心とする輸送機器だけでなく産業機械、建設機械など幅広い業種にバランス良く、高品質な鋳鉄品を提供している。
 約2万5000坪の広大な本社工場では全ての製造工程をワンストップで担える生産体制を整備。最大3㌧の大型製品から小型鋳物、多品種少量から大ロット生産まで広範囲のニーズに対応できる。2年前には総額21億円の大規模な投資でダクタイル鋳鉄製造設備のリフレッシュ工事を行った。
「まだまだ手を入れなければならない設備も残っています。経営者は緻密に先を読み、勇気を持って経営判断を下すことが仕事です」
 と話す山﨑社長。八戸という関東中心の市場から遠い地理的ハンデを克服するために、何年も前から平日より電気代が安い土日に工場を稼動させるなど、「品質」「納期」「コスト」を徹底的に追求する。
 その結果、リーマンショックの時期も含めて10年以上黒字を継続している。

さらに“良い会社”へ
事務系の採用も強化

 今後は技術職だけでなく事務系の採用にも力を入れ、今年から管理職と現場のリーダーが合同で参加する社員研修を10年以上ぶりに復活させるなど、組織力の強化にも取り組んでいる。
「良い会社には良い人材が集まる。この好循環を回し続けていきたいですね」
 と語る山﨑社長。新たな人材の力をエネルギーに変え、南部の雄はさらに逞しく成長を続けていく。  

【会社データ】
本社=青森県八戸市沼館4―7―108
☎=0178―43―0127
創業=1951年3月
資本金=4億円
従業員数=320名
売上高=87億円
事業内容=鋳鉄製品の製造・販売
http://www.koshuha-foundry.co.jp

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コメント
1.マテリアルズインフォマティクス 熱処理関係さん (2021/06/17 02:26)

ダイセル リサーチセンターの久保田邦親博士(工学)の材料物理数学再武装は人工知能と品質工学のあいのこみたいで面白いよ。

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