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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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商船三井近海(シリーズNo.1126)

商船三井グループの一翼を担う
アジア水域海運のリーディングカンパニー

安達 士郎 社長

 1884年、関西の55の瀬戸内船主が統合され、前身となる大阪商船が設立されて130年――。それから現在に至るまで、日本の海運事業を支えてきた商船三井グループ。その一角として、極東・東南アジアの近海水域での海上輸送を展開しているのが、商船三井近海株式会社だ。
 同社は商船三井グループのアジア水域における海運事業再編の一環として、2001年にエム・オー・シーウエイズとナビックス近海が事業統合し、現在に至っている。
「ばら積み貨物やコンテナ等で世界的ブランド力を誇る商船三井グループの一員であることは我々の大きな強みです」安達士郎社長
 日本を中心とした近海輸送を主な事業とする同社は、近海輸送に適した3万㌧クラス以下の在来多目的船、重量物船、ばら積み貨物船を約50隻運航。海外にも複数の拠点を有している。事業の柱は、鋼材輸送、プラント・プロジェクト貨物輸送、在来・一般貨物輸送、ばら積み貨物輸送の4つだ。
 特に鋼材輸送は業界内でも上位のシェアを誇り、年間約270万㌧の鋼材を主に東南アジア、中国向けに輸送している。鋼材の種類は薄板コイル、線材、厚板など多岐にわたり、社内の充実したサポート体制により、安定・安全な輸送を実現している。
 鋼材輸送において特筆すべきなのは「結露防止装置」を搭載している点。これは、鋼材製品に大敵である海上輸送に伴う結露や発錆ダメージを防止するというもの。造船会社の新来島どっくと共同で開発され、特許も取得(特許第3678713号)した、同社独自の強みだ。

多様な人材を揃えて
東南アジアで更なる存在感を

 加えて、地球環境への配慮も欠かさない。海中水生生物が船舶の航行に伴い遠方の地域まで運ばれ排出されるため、生態系への悪影響が懸念される。これを防止するため、運航船への処理装置「バラスト水処理システム」の搭載を、他社に先駆け積極的に推し進めている。(詳しい内容は同社ホームページをチェック)
 キャリア採用に積極的に取り組む同社には、他業種からの転身者も数多く在籍。親会社出身の社員にとっても大きな刺激になっている。多様な人材が活躍していることも同社の特長の一つだ。
 今後は日本と各国を往来する輸送だけでなく、日本に戻らず東南アジア各国を周航する「東南アジア域内専用船サービス」を拡大していくという同社。「日本流」の気配りを武器に、東南アジアでの存在感を更に高めていく心積もりだ。   

【会社データ】
本社=東京都港区虎ノ門2―1―1 商船三井ビル6F
☎=03―3587―6011
設立=1972年3月
資本金=6億6000万円
売上高=278億円
従業員数=71名
事業内容=海上運送業・船舶代理業・海運仲立業・輸送機械器具の賃借業
http://www.mokinkai.co.jp


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