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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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光英科学研究所(シリーズNo.1113)

                           『サンデー毎日』3/15号掲載

「腸内フローラ」が作る物質が健康の源

その「乳酸菌生産物質」を体外から補給


村田 公英 社長

 去る2月22日「NHKスペシャル」で〈腸内フローラ・解明!驚異の細菌パワー〉という番組が放送された。ヒトの大腸には腸内細菌が花畑のように分布しており、その菌が代謝によって作る物質が私たちの全身の健康状態を決定する。その物質が糖尿病やガンの予防、肌のハリやしわの改善に関与するほか、脳の働きにも影響して性格をも左右するというのだ。
  
 この事実は、遺伝子の解析技術により5年程前に明らかになったことだが、実は、この代謝産物に60年前から着目し、45年前から腸内フローラに代表される乳酸菌の共棲培養法の研究を続け、20年前に16種・35株の乳酸菌・ビフィズス菌群を発酵させて得られる「乳酸菌生産物質」を完成したのが株式会社光英科学研究所だ。以来そのエキスを製造・販売し続けている。同社は1948年設立の寿光製薬を前身として69年に発足、94年村田公英現社長によって法人化された企業だ。

 村田社長と「乳酸菌生産物質」との出会いは48年、8歳の頃。当時母親が開発途上のこの商品の普及員をしており、毎日のようにこの「乳酸菌生産物質」を飲み続けてきた。その関係から59年、前身の寿光製薬に入社、研究・開発に携わり、研究専門機関としての同社設立に繋がっていく。
 74歳の今、村田社長の顔色は血色も良く、肌のハリは衰えていない。

経産省・戦略的基盤技術高度化
支援事業(サポイン事業)に採択

 
 同社が長年の研究の集大成として腸内フローラの最強チームを確定。ビフィズス菌を含む16種・35株の複合乳酸菌は、国産無農薬大豆から作成した豆乳を培養基として共棲培養され、その菌群の作り出した代謝産物として「乳酸菌生産物質」を生み出した。この「乳酸菌生産物質」を最新の遺伝子解析技術で解析したところ、身体の健康に有用な352種類の発酵代謝物質の特定に成功。中には抗ストレス機能を持つ糖脂質「ステリルグルコシド」の存在も確認され、抗ストレス食品素材としての研究・開発も進行中だ。この解析の詳細は、ニューサイエンス社刊の月刊「細胞」誌・2月号にて発表されている。

 また、この「乳酸菌生産物質」は国際的安全性基準(GLP)適合施設で長期安全性実験が、城西国際大学にて栄養生理学的安全性確認も行われ、「Sixteens®」と名付けられて数多くの健康食品メーカーや、欧州・米国など海外にも、食品原料として供給されている。

 そして昨年10月、同社のこの研究は2014年度経済産業省「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」にも採択され、日本が世界に打って出る基盤技術として認められた。

 千葉県茂原市に同社が設立した千葉中央研究所では、「Sixteens®」のさらなるブラッシュアップに向けて、日夜研究・開発が繰り広げられている。

【会社データ】
本社=埼玉県和光市新倉3ー9ー2
☎=048ー467ー3345
設立=1994年
資本金=1000万円
事業内容=乳酸菌生産物質の製造・販売、研究・開発

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