日本を真の自転車大国に!
画期的な自転車スタンドを発明
大久保 紀明 社長
約8665万台――。日本における自転車保有台数だ。実に国民1・5人に1台の割合で自転車を保有する日本は、オランダやドイツ、デンマークなどに次ぐ世界第6位の自転車大国である(自転車産業振興協会統計要覧)。
「これだけ多くの自転車を保有しているのに、日本では自転車は邪魔者扱いされがち。一方ヨーロッパでは、自転車はプライオリティーの高い乗り物として尊重され、市街地では自動車の序列が最も低いほどです。自転車がサスティナブルなライフスタイルの一部として定着しているヨーロッパのように、日本でも自転車の地位を高めていきたい」
こう力強く話すのは、株式会社サイクルロッカーの大久保紀明社長だ。
安価でエコな乗り物として、渋滞緩和やCO2削減に貢献する自転車。「自転車を追い抜く時は1・5㍍の間隔をあけなさい」という道路標識が存在し、路面電車やバスにラックが設置され自転車ごと乗ることができるなど、ヨーロッパには自転車を活用するための知恵や工夫があふれている。
20代の頃に自転車の楽しさに目覚め、愛車を携えてヨーロッパに渡るなど現地の自転車文化を肌で感じてきた大久保社長。通常は横に置く自転車を縦に収納する、画期的な室内用自転車スタンド「クランクストッパースタンド」を発明した。
最大の特長は、自転車の部位の中で最も強いクランク部分をストッパーで支え、車体に負荷をかけずコンパクトな収納を実現したこと。シンプルだが自転車の機構をうまく活用したこの仕組みで、特許を取得した(特許第4896258号)。
「いたずらや盗難防止はもちろん、自転車を大切にしてほしいという想いで開発しました。自転車がほしくても置き場の無い方や野ざらしの駐輪場に止めたくない方にも重宝されています。家でも肩身の狭い自転車ですが、これなら室内でも場所を取らないと好評です」
今年2月には新商品「CS―600」も発売。従来品よりも手頃な価格(1万2000円。税別)で早くも評判を呼び、売り上げも順調だ。全国の自転車専門店30数店舗やオンラインショップなどで購入できる。
駐輪インフラ製品を通じ
自転車が優遇される社会を
東京理科大学大学院修了後、公共系シンクタンクを経て上場デベロッパーで一級建築士として大規模複合用途ビルなどの開発に携わった大久保社長。自転車の時代が到来することを確信し、40歳で独立を果たした。 当初は駐輪場不足・放置自転車問題解決を目指し、自転車用ロッカーを自治体や鉄道会社に提案するも苦戦。試行錯誤の末に開発したクランクストッパースタンドがヒット商品になった。
「少しだけいい自転車に乗ることで、多くの方に自転車の楽しさや快適さを体感してほしい。地球温暖化の進行を食い止めるためにも、今後も駐輪インフラ製品を通じ、自転車が自動車よりも優遇される社会を築く一助になりたいですね」 (中)
【会社データ】
本社=神奈川県三浦郡葉山町長柄17
設立=2010年5月
事業内容=駐輪装置の開発・製造・販売
http://cyclelocker.net
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