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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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株式会社 監理(第60回)

定年後も働きたいシニアを積極採用!
人生経験豊かな「人財」が集う警備会社

橘 正英 社長

 
 マンションや戸建て住宅、学校、ショッピングモール、物流センター、神社仏閣など、あらゆる建設現場の警備業務を手掛ける株式会社監理。東京・千葉・神奈川・埼玉の一都三県に、自社で直接雇用した警備員を配置している。本社員を含めた全社員の平均年齢は70歳。業界では異色の警備会社だ。
「健康で誠実な方であれば、65歳以上も積極的に採用しています。これまでの人生経験を生かし、働く喜びを感じ続けてほしいですね」


 と話す橘正英社長は、防衛大学校卒業後に銀行員としてキャリアを積み、オーナーである父の命を受けて1991年に入社。2006年に社長に就任した。
 一般的に、警備員は若者が主体のように思われるが、中高年が多数集う同社への引き合いは絶えることがないという。その理由は、屈指の「近隣対応力」にある。
「警備員の使命は街の安全を守ること。特に求められるのが現場周辺住民の方々への心配りです。中高年は若者に比べて対人コミュニケーション能力に長けている。当社の最大の強みはここにあります」(橘社長)
 何より警備業は人がすべて。そう考える同社は「人財」の育成に注力している。採用後は4日間の新任教育を施し、その後も基本教育・業務別教育を年2回ずつ実施。防衛省OB等の教育担当者による現場の巡回指導も頻繁に行っている。
 近年は警備業の原理原則を土台に、自社の実務に沿った教育研修体系も整備。資格取得も積極的に支援し、ステップアップの機会も設けている。他にも、日々奮闘する警備員の健康管理までもサポートすることで現場力の底上げを図っている。
 90年の設立以来、着実に成長を続けてきた同社。しかし、リーマン・ショックに端を発する建設不況で業績は悪化の一途をたどる。
 6期連続減収減益、2期連続実質赤字。仕事量は減り、デフレの影響で受注のために値下げを繰り返す悪循環に陥っていた。そんな時、橘社長は大胆な決断を下す。営業社員を集め、こう伝えた。
 ――値下げではなく、値上げに転換する。
「このまま続けていても未来はない。値下げしてまで受注するくらいなら、値上げしてでも当社に任せていただける仕事に集中して取り組もうと考えました」
 その結果、13年4~6月の業績は、例年不調の年度始めであることに輪をかけて過去最悪を記録。しかし、7~9月は社員達が奮起し、大反転の躍進を見せる。
「建設業の復調と人手不足による受注増が要因ですが、そんな追い風の吹く中でも淘汰されて消滅した同業他社は多数ありました。当社が生き残ることができたのは、現場の皆さんが今までまじめにコツコツ取り組んできてくれたことを改めて評価して頂いたため。風雪に耐え、苦しい時期を全員で乗り越えられたことは大きな自信になりましたね」
 今年で設立25周年。これからも変わらず、街に安全と笑顔を届けていく。

【会社データ(問い合わせ先)】
本社=東京都千代田区内神田2―12―5 内山ビル6F
☎=03―6820―0555
設立=1990年11月
資本金=1000万円
社員数=250名
事業内容=警備業
http://www.kanri-keibi.co.jp

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