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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

日本中央研究所 株式会社(第61回)

遮熱塗料を建築物外装の定番にする塗料メーカー
冷めやすい遮熱塗料「アドグリーンコート®」とは!?

間中 恭弘 社長

 進行し続ける地球温暖化により、毎夏のように列島が猛暑に見舞われている昨今。住宅や店舗、工場、倉庫などの屋根・外壁、さらに歩道などは、太陽光を浴び続けることで、日中の表面温度は50~70℃もの高熱になっている。
 しかし、今回紹介する日本中央研究所株式会社とトヨタ自動車の子会社、株式会社アドマテックスが共同開発した、冷めやすい遮熱塗料「アドグリーンコート®」を塗ることで、外装温度はもちろん、室内温度も大幅に下げることができるという。外装・室内温度が1℃下がれば、約12%の電気代節約に繋がるといわれているが、上のグラフはスーパーオートバックス東福岡店で実施された、面積2300㎡に「アドグリーンコート®」を施工した実際の電気料金と施工しなかった場合の想定電気料金を比較したグラフだ。年間で約400万円の電気料金の削減に繋がっている。


 同店の店長は感想として
「施工してから、夏場のエアコンの使用台数が最大半分で済むようになりました」と話している。
 同製品の特徴は、超微粒子真球無孔質ファインセラミックスが原料に使われていること。超微粒子真球無孔質ファインセラミックスは、高熱伝導や低熱膨張、耐熱向上など多くの機能性を持っており、カメラやテレビ、携帯電話、さらには医療用精密機器などの熱対策基盤として、世界中で約90%の市場シェアを誇っている。粒子径の大きさは、煙の粒子のわずか1万分の1㍉の0・1ミクロン。多孔質断熱塗料の30~150ミクロンと比べても大幅に小さい粒子だ。
 この瞬時に熱を逃す機能に優れ、直射日光を浴びても冷めやすい原料に、同社がまだ前身の会社の塗料事業部だった時代に着目。世界で初めて建材塗料に応用し、反射・排熱のWブラインドで優れた効果を実現する、国際共同特許商品「アドグリーンコート®」を開発した。
 超微粒子は、近赤外線の波長と同調して四方八方に乱反射することで、効果的に塗装面の温度上昇を抑制することが、京都大学工学部地球工学科特別研究論文でも実証されている。また、排熱性や省エネ効果のみならず、薄膜による美しい塗膜や汚れにくい防汚力、耐久性、施工が容易なことも魅力の1つになっている。
「日本でも遮熱塗料は工業規格JIS(K5675)に規格化されており、31社もの企業が認証に挑みましたが、結果は10社しか通過できず、環境に優しいと言われる水系塗料は当社の製品を含めて3製品のみ。また、シリーズ品において唯一エコマーク認定を取得しており、環境立国を目指すシンガポールや台湾、中国でもエコマークと同等の環境ラベル認定を取得しています。環境への負荷低減を追及し、他社が真似できない原料を使うことで誕生したトータル的に優れた〝オンリーワンの遮熱塗料です」
 と、同製品への絶対的な自信を語るのは、間中恭弘社長だ。間中社長は建設会社や中国のゴルフ場開発会社に勤務後、顧問として日本薬品研究所で遮熱塗料の商品化に携わった。その後、2006年に設立した同社に塗料事業部が事業移行し、翌年社長に就任した。
 設立から約10年が経過した現在では、一般家庭や大手企業の工場・本社ビルのみならず、キュービクル式高圧受電設備や携帯電話基地局、自動販売機などにも使用されている。また、新横浜日産スタジアムのランニングコースにも採用されており、数年後〝世界一暑い都市東京〟で行われるスポーツ祭典の周辺施設での採用も視野に入れ、促進活動に奔走している。

塗料初となるハラル認証や
遮熱塗料の〝開発で世界へ

 国内での実績により、アラブ首長国連邦や韓国、台湾でも使われ始めている同製品。中東・東南アジアを中心にさらなる海外普及を目指すべく、積極的な事業展開に力を注いでいる。
「タイ、ベトナム、インドネシアの商社とは協力関係を築いており、取引商社とシンガポールに子会社NCKGPを設立しました。また、韓国の塗料メーカーとはライセンス契約を結び、現地での製品開発に着手し、世界からもライセンスへの声を頂いています。サウジアラビアでは国営電力会社と実証実験を行い、エアコンの消費電力を平均25%削減する結果を実証したことで、国営石油会社からも関心を集めています。最近は世界中から連日、訪問者もあり、日本で創り上げられた原料と技術力の高さに世界が注目し始めています」(間中社長)
 さらにイスラム教徒の需要獲得も注力する同社。子会社のNCKGPを通じ、マレーシアの政府系上場塗料会社サーソル・コーティングスとの間に合弁会社サーソルNCKを設立。3年以内の上場を目指すとともに、今秋を目標に、塗料では世界初のマレーシア政府ハラル認証機関JAKIMからのハラル認証を目指している。ハラルとはイスラム法において合法の意味で、禁じられているアルコールや豚肉などが使われていないことを認証する制度。イスラム教徒が物を購入する際の1つの基準となり、マレーシア日本通運株式会社が日系企業として初めて認証されている。
「水系やエコマークなど、設立当初から環境に配慮し、ハラルの基本概念である安心・安全にも合致しています。欧州や中国を中心に揮発性有機化合物(VOC)の規制が進んでいる中、環境面からも宣伝していきたいですね」(間中社長)
 文部科学省登録研究所である同社研究所では、工業用電気ニッケルめっき・工業標準新規原案作成委員や一般社団法人表面技術協会論文審査委員、評議委員などを務めた主任研究員の川崎実氏を中心に、混ぜれば遮熱塗料に変化する〝素を開発する事業にも着手。来年海外での発売に向け、動き始めている。
「先進国を含めて、まだまだ世界では遮熱の概念は浸透していません。アドグリーンコート®を世界に広め、
 〝遮熱塗料を世界の建築物外装の定番にする。それが私たちの使命です」

【会社データ(問い合わせ先)】
本社=東京都港区芝浦3―7―12 シグマビル1F
☎=03―6809―4350
設立=2006年7月
資本金=7745万円
事業内容=酸化物セラミック粉・遮熱対応建材の企画・開発・販売など
http://www.nck-inc.com

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