忍者ブログ
Home > > [PR] Home > 製造・設計・技術開発 > 鉱研工業 (シリーズNo.1739)

logo

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

鉱研工業 (シリーズNo.1739)

創業72年のボーリングスペシャリスト企業
目指すは「ONE&ONLYの技術構築」


木山 隆二郎 社長兼製造本部長


 石炭・石油などのエネルギー資源やあらゆる金属資源、そして水さえも地下から獲得してきた人類だが、これまで人類が地球に掘った一番深い孔でも10㌔㍍に過ぎない。生活圏としての未開拓の地下の重要性が再認識され、大深度地下開発が都市再生の鍵を握ると言われる今、20世紀が宇宙開発の時代なら「21世紀は地下開発の時代」だと提唱する老舗ボーリングマシンメーカーがある。
 戦後間もない1947年10月、石炭資源調査のための大型ボーリングマシンの開発を目的に鉱研試錐工業㈱として設立され、創立40周年の86年を機に現社名に変更した鉱研工業株式会社(木山隆二郎社長)だ。


ボーリング技術の研鑽で
日本国土の地下開発支える


 同社は当初から、鉱山やダム開発に使用されるボーリングマシンの設計・製造・販売を担うメーカー部門と、自社製作の機械を現場で活用し、調査・工事を担うエンジニアリング部門を擁する、地下開発の現場を知るプロフェッショナル集団としてスタートした。
 48年に完成した第1号機は、当時国産最大級の1200㍍の掘削能力を持つボーリングマシンで、三井三池炭坑を始め全国の炭坑に納入。佐久間ダム建設用に開発した高速ボーリングマシンや海底炭田調査のための世界初の海底ボーリングマシンなど、難工事ごとに専用のマシンを開発する中、64年には東京地下鉄用に国産初の全油圧式水平ボーリングマシンを開発。69年の青函トンネル先進掘削用の5000㍍級水平ボーリングマシンの開発や、3000㍍級の山脈の麓を貫通させる超長尺水平コントロールボーリングマシンの開発・納入に繋がっていく。
 それに先立つ67年には、立坑をレイズボーリングで掘り上げる国産初の大口径岩盤掘削機「ビッグマン」を開発。その後「ビッグマンシリーズ」として後継機の開発を続け、現在では、直径6㍍・深さ330㍍の国内最大級の立坑掘削実績を持つ、同社技術を象徴する国内唯一の工法にまで成長した。
 また75年には、強力な打撃と回転機能を持つロータリーパーカッションドリル「アロードリル」第1号機を開発。より強力・高性能を求める時代の要請に応えて改良を重ねる中、現在では、ハイパワー且つ新排ガス規制適合エンジンを搭載した環境にも優しいマシンに成長。アンカー工事やトンネル調査工事など、多種多様な工事に対応する同社の旗艦マシンとして、業界の誰もが知であろうロングセラーの地位を獲得している。
 これら、日本の高度経済成長期を象徴する難工事を可能にしてきた様々な工法やボーリングマシンの開発は、同社がメーカー部門とエンジニアリング部門を併せ持つからこそ築き上げることが出来た業績の数々だ。
 粘土層や砂礫層、岩盤層など、現場ごとに異なる地盤の特徴をエンジニアリング部門が把握し、メーカー部門にフィードバックして解決策を導き出す同社独自の取り組み。その継続が、大型マシンの他にも櫓設置不要の温泉・地下水開発用ボーリングマシンや、掘削機一式をトラックに搭載したトラックマウント水井戸掘削機、人命救助用水平ボーリングマシンや無騒音住宅基礎工事機器など、用途に応じた多様なマシンを生み出してきた。
 戦後復興期から高度経済成長期、安定成長期からバブル期、その崩壊期を通じて日本のボーリング技術を牽引し、94年に株式店頭登録(現JASDAQ上場)を果たした同社は、既設のシンガポール支店、香港支店に続き、2000年に初の海外生産拠点となるマレーシア工場を開設。03年には、飽和する国内市場のみならず中国・東南アジアから欧州市場までをターゲットとする新・世界市場戦略機「多目的クローラードリル」を開発し、機械販売と特殊なボーリング工事の実績が豊富である。この経験を活かし、今後も世界戦略を進める同社。昨年の令和時代の始まりを契機に6月1日、新執行体制に移行、エンジニアリング部門出身の木山隆ニ郎氏が代表取締役社長兼製造本部長に就任し、100年企業に向けて新たなるスタートを切った。


新市場目指し、
ブルーオーシャン・プロジェクト始動


 木山社長は、熊本大学工学部資源開発工学科を卒業後の83年、「世界の資源に関わる仕事」を求めて同社に入社。入社3年後にインドの杭工事事業に2年間従事、名古屋支店勤務を挟んで香港に1年、大阪支店勤務を経てシンガポールに5年間駐在と、エンジニアリング部門での豊かな海外経験を持つ木山社長は就任と同時に新しい社是「ONE&ONLYの技術構築のために前進」を策定した。
「創立以来70余年が経過したこの時期に、改めて本来の『技術の鉱研』に立ち返り、競争のない技術の究極を極めるべく、全社員一丸となって技術開発に邁進する意志を込めました。海外展開を加速するエンジニアリング部門はもとより、過去の技術資産を豊富に有するメーカー部門においても、未だ見ぬフロンティアを開拓するために製造本部長をも兼務する所存です」
 と、木山社長は新しい社是に込めた思いを語る。
 昨年末には、設計・製造、営業・エンジニアリング、総務・経理の全部署から15名の若手社員を選抜し、未開拓のブルーオーシャンを発見するプロジェクトをキックオフ。まずは、プライベートビーチ探索の船出を模索する。1月1日には、「顧客の安心、安全な機械としての信頼」をより深化させるために、クレーム対応の専門部署をメーカー部門に新設。新たなシーズを見出す契機として機能する。
 アジア・アフリカ諸国を対象に地下水資源の農業分野への応用可能性を探る調査を開始するなど、SDGs(持続可能な開発目標)にも取り組む同社。今後の展開に期待したい。


[会社データ]
本社=東京都豊島区高田2-17-22目白中野ビル1F
(国内11支店・営業所、厚木工場、長野県諏訪工場)
℡03-6907-7888
設立=1947年10月
資本金=11億6541万円
(JASDAQ上場)
社員数=250名
売上高=71億3000万円
事業内容=各種ボーリング・グラウト機器製造、温泉・地下水開発、環境事業、エンジニアリング事業、コンサルティング・海外事業
http://www.koken-boring.co.jp

拍手[0回]

PR
コメント
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード

『サンデー毎日』最新号絶賛発売中!

サンデー毎日 2021年2月7日号 [雑誌]

2021年2月7日号

ブログ内検索

新着記事

運営会社

株式会社エスコミュニケーション
編集タイアップ企画のパイオニアとして、頑張る日本の中小企業を応援しています。マスメディアでは報道されない各社の素顔と魅力をお届けします。
《掲載をご希望の場合はこちらまで》
s-comm@s-comm.co.jp

P R