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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

旭ビルウォール(シリーズNo.1738)

「挑戦」と「こだわり」を大切に30周年迎える
世界でも稀な総合ファサードエンジニアリング企業



櫻井 正幸 社長

「建物の顔」ともいえる外装ファサード。秀逸なデザインの建物は、その存在感だけで街のイメージを決める。銀座・大手町・表参道界隈など、注目度の高いスポットでも数多くの意匠性の高い建物のファサードを手掛け、オンリーワンの輝きを放つ総合ファサードエンジニアリング企業が、2020年2月に設立30周年を迎える旭ビルウォール株式会社だ。
 近年、高意匠性の建物の内外装によく使われる建材「GRC」は、耐アルカリ性硝子繊維で補強したセメント製品で、軽量かつ強靭で不燃性・耐久性も高いため・住宅・土木・環境分野にも多彩に活用されている。特に、その代表的な製造方法であるダイレクトスプレー法の形状再現性・高意匠性は設計者の自由度を広げる工法として、数々の著名設計者・著名建築物に採用されてきた経緯がある。


 そもそもそのGRCは1973年、旭硝子が英国ピルキントン・ブラザース社より技術を導入し、日本に初めて紹介したもの。当初は鉄筋に代わるコンクリート補強材として建設業界に売り込むが思うに任せず、ならば「直需」を狙って自前で施工部隊を持とうと、90年2月、内外装設計施工戦略子会社として設立されたのが旭硝子ビルウォール東日本株式会社と旭硝子ビルウォール西日本株式会社、現在の同社の前身だ。
 以来試行錯誤を重ねる中、ハウステンボスやスペイン村など数多くのテーマパークの内外装施工の受注を重ね、GRCが実力を発揮するのは意匠性の高い建築物の施工時だという結論に至る。その間、FRPやGRG(硝子繊維で補強した石膏)など、意匠・機能の課題を解決するために多種・多様な建材を駆使し、高い付加価値を生み出す知見・ノウハウを蓄積していく。
 しかし、バブル崩壊後の建築界は低価格路線に傾斜し、同社のGRC中心の事業は厳しさを増す。親会社の事業の統廃合から、光ファイバー・太陽光集光伝送システム「ひまわり」事業や、防音事業の移管を受けつつ、それまで培ったノウハウをベースにファブレス会社に変貌することを決断。併せて、風切音防止に特化したエアロフレーム事業や、建物の外装に特化して設計施工を行うファサードエンジニアリング事業を新規事業として立ち上げた。これを機に同社は単なる材料メーカーから日本では珍しい総合外装エンジニアリング会社に変貌することになる。

不可能を可能にする
華々しい施工実績


 同社が2001年に受注したルイ・ヴィトン表参道店はその後の日本の外装ファサード発展の幕開けであった。弱りつつあった日本の不動産を外資が買い取り、新進気鋭の建築家にデザイン性の高い外装を設計させたのだ。同社はまさにこの時代の流れに乗ったと言える。ルイ・ヴィトンに始まった潮流は隈研吾、妹島和代、青木淳といったスター建築家を育て上げ、同社はそれらのスター建築家とともにデザイン性の高い外装を作り上げていった。
 その受注の中には前例のないデザインや革新的なアイデアが多く、それに対して長年培ってきた硝子及び硝子周辺部材の設計ノウハウと窯業・金属・セラミック・樹脂等の多岐に亘る材料知識を総動員して具現化し、具体的な「形」にする必要があった。そのために、各種材料メーカーのエキスパートをヘッドハントしたり、様々なメーカーとアライアンスを組むなど、柔軟に組織を変貌させてきた。
 千葉大学大学院建築学を修了後旭硝子入社。以来一貫してGRC普及の道を歩み、13年1月同社代表に就任した櫻井正幸社長は語る。
「業務関係の中で設計事務所・ゼネコンと施工業者・職人を繋ぐ『デザイン』と『ものづくり』の結節点にある当社。決して『できない』とは言わず、できる方法を考える、他社がやらないことを敢えてやる、という姿勢で取り組んできました。困難に『挑戦』し、徹底して考え、創意工夫したものが形になるのは、プロとしてこの上ない喜びです。今では、アトリエ系設計事務所から『貴方の所だったら、これが出来るのではないか』と声を掛けられる事も多くなりました。当社ではそんな仕事を『作品』と呼び、施主やデザイナーなどのお客様に『作品で感動を与えるものづくり』を目指しています。そのためには、まず仕事を頂いたことに感謝し、『こだわり』のあるものづくりを追求することが大切だと考えます」
「都市の景観と環境に貢献する会社」を志す同社は、ファサードエンジニアリング事業の他にも、GRC・三次元RC工法「トラスウォール」などの景観材料事業、防音・音響・省エネなどの環境エンジニアリング事業、特殊硝子を使ったガラスファサードを提供するガラスエンジニアリング事業を擁し、数多くのランドマークとなるような建物の外装・内装を「作品」として世に送り出してきた。
 
外国人社員10%を目指し
世界市場を視野に入れる


 最近の代表的な作品例としては、「未来唐草」をモチーフにしたアルミシェードの外壁が印象的な「資生堂銀座ビル」アルミシェード工事や、伝統木造組物の優美さを再現した「歌舞伎座」外装GRC工事などが挙げられる。また昭和の名建築「ホテルオークラ」の改修建替え工事では、建築家・谷口吉生がこだわったエントランスを飾る象徴的な「すだれ」をステンレスパイプの特殊発色品を駆使し繊細なディテールの要求を見事に表現して見せ、関係各所から高い評価を受けている。
 日本にはない建築材料や斬新な建築物を求めて、多い時には土・日を使って年間30回も海外出張に出掛けたという櫻井社長は、若手社員に期待を寄せて語る。
「お客様からの信頼は一度裏切ったら元に戻らない。常にお客様の期待を超える成果を提供してこそ『感動を与えられるプロの仕事』です。そのために、日々自己研鑽を怠らず、意欲的・情熱的に仕事を通じて自己実現を目指して欲しい」
 また、2016年から吉野石膏グループとなり、吉野石膏の理念 『安全で快適な住空間を創る』に基づき市場における価値の極大化を目指して20年に「モノづくりセンター」を開設し、技術と知見を駆使した人々の感性に訴えかける『感性品質』の実現を目指す
その一方で、17年5月には「健康企業宣言」を行い、社員の健康管理を支援する取り組みを進めると共に、大リーガーの大谷翔平で話題になった「キャリアマンダラチャート」を採り入れ、社員の自己実現の達成を応援している。
 社員有志による、国際感覚の養成や思考の幅の拡大を目的とした海外留学制度の導入や、近年のシンガポール人、スペイン人、ベトナム人など外国人社員の採用で、海外展開の準備を進める同社。近い将来の外国人社員比率10㌫を目指し、本格的に日本発の海外展開を開始する構えだ。


[会社データ]
本社=東京都台東区松が谷1-3-5-8F
℡03-5806-3110
設立=1990年2月
資本金=1億円
社員数=165名
売上高=130億円
事業内容=景観材料・環境エンジニアリング・ファサードエンジニアリング・ガラスエンジニアリング事業
http://www.agb.co.jp

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