音響ケーブルの世界的ブランド「CANARE」
オールインワンで社会に存在価値のある製品を
音響や放送に用いるケーブルの中で、日本のみならず海外のプロフェッショナルからも圧倒的な支持を集める「CANARE」製品。ファンの心を掴んで止まない世界トップクラスのブランドを支えているのは〝社会にとって存在価値のある〟モノづくりだ。
「ただ製品を作るだけでなく、お客様が見た時、触った時に『これだ!』と感じて頂けるかを常に意識しています。耐久性に優れ、使う人の手に馴染む品質の高さがプロの方々からの支持に繋がっているのでしょう」
光伝送システムも
新領域にもチャレンジ
高品質で多彩な製品の開発・販売だけでなく、放送中継などの配線システムも担っている同社。間近に迫るオリンピック関連に伴う施設の建設やイベント中継、さらには相次いで予定されている放送局の設備のアップグレードや新局舎建設など、増加が見込まれる需要を確実に掴み取るだけでなく、放送・通信分野の技術革新にも対応し、積極的に新製品の開発も進めてきた。
4Kや8Kといった高解像度の映像伝送に適した放送システムの構築が求められる中、同社は数年前からIP関連の製品開発にチャレンジ。大野社長が「ようやく製品が揃ってきた」と話すように、光伝送装置や放送用光カメラケーブルなど、用途に応じた豊富なラインナップで様々な光伝送システムをコーディネートする体制も整えている。
また、プロユースの音響ケーブルをはじめ、全国の放送局や音楽ホール、劇場などで活躍する「CANARE」製品は、災害緊急速報を伝えるラジオのケーブルにも使用されるなど、生活を守るインフラとしても活躍。大野社長は新たな市場の開拓にも意欲を燃やす。
「現業を維持しながら、常に2~3の新規事業を進めることで市場を変えていきたいと考えています。医療やセキュリティーなど、当社の製品が役に立てる他の分野もまだあるはずです」
次代のリーダー育て
100年企業の礎を
いよいよ来年、同社は創業から50年という大きな節目を迎える。大手電機メーカーから同社に転職して約30年。沖縄に始まり、海外でも新規市場を開拓してきた大野社長は5年前の就任以降、プロパーではない自身だからこそできる思い切った改革を推し進めてきた。
「この会社を100年企業にしたい。そのためにも『外部から来た私が変えられなければ、この先もずっと変わらないだろう』という覚悟で取り組んできました」
と話す大野社長が最も注力しているのが人事面の改革だ。適材適所の人材配置や風通しの良い社内環境を整えるとともに、20年近く休止していたという新卒採用も数年前から再開した。
国内拠点の社員が集まる年1回の社員総会だけでなく、毎月2泊3日で名古屋本社にも足を運び、パート社員も含めた全従業員にヒアリングを実施。ひと月のうちおよそ10日間は出張して海外8拠点を順に巡り、現地スタッフのモチベーションアップにも努める。
「社員一人ひとりの頑張りと、社長が号令をかければ一本の指に集まることができる結束力が当社の強さ。ニッチな市場で50年勝ち残って来た原動力です」(大野社長)
また、月に一度、役員全員を集めて意見を出し合い、10カ年計画を作成。目標を達成するために大野社長が期待を寄せるのは、次の経営幹部となる部長クラスの躍進だ。
「役員層が能力を発揮している反面、部長クラス以下の人材が表に出て来ていないことが課題。受け身ではなく、私や上司に意見をするくらいの力強さが欲しいですね。自分の信念を貫き、決めたことは絶対にやり遂げる。そういう人材が後継者として現れてくれたら嬉しいです」(大野社長)
100年企業への折り返し地点を通過する前に、新たなエネルギーを育んでいる同社。世界を魅了し続ける「CANARE」の未来は大海へと続いていく。
【会社データ】
東京本社=東京都港区芝公園2―4―1 芝パークビルB館13F
℡=03―6435―6940
名古屋本社=愛知県日進市藤枝町奥廻間1201―10
℡=0561―75―3001
設立=1974年2月
資本金=10億4754万円
(東京証券取引所第一部上場 証券コード:5819)
従業員数=269名(連結)
売上高=113億7159万円(連結)
事業内容=放送・通信用ケーブル、ハーネス、コネクタ、機器(パッシブ・電子)及び付帯器具の製造・販売
https://www.canare.co.jp
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