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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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ダイニッセイ(シリーズNo.1681)

鉄筋工事の世界で技術力ナンバーワンを目指す
時代の先を進む業界随一のプロ集団

池田 愼二 会長

池田 洋一 社長


 コンクリートの建造物において「骨組み」を担う鉄筋工事。竣工時にはコンクリートに覆われ、表面上は見えなくなる鉄筋だが、地震国・日本では特に建物の強固な「芯」となる重要な部材だ。安全性や工事品質の不祥事の報道が続く中で、鉄筋工事に携わる事業者には高い技術力はもちろんのこと、確かな信頼性が求められている。
 株式会社ダイニッセイは大日成鉄筋工業株式会社を前身として、1973年に設立。設立当時から同社は鉄筋工の職人を正社員として雇用し、質の高い技術力を育成してきた。



「社員であれば月給制・社会保険・福利厚生は当たり前と考えていました。当初は社員数が少なかったこともあって、社員を家族のように考えていました。安心して長く勤めてもらえる会社でありたいという思いは、社員が増えた今もなお原点としています。長いスパンで見れば経費は相当な負担がかかりますし、厳しい時期は事態も深刻でしたが、信念は貫きました」
 と、池田愼二会長は語る。職人といえば日雇い・保障のない職場環境が常態化していた当時の建設業界で、同社が貫いてきた「信念」は、人材不足の恒久化が叫ばれる近年では、中小建設企業の手本として、制度上でも社会保険加入の法令化が進んでいる
 12年間にわたり千葉県鉄筋業協同組合の理事長を務める池田会長が現在、組合活動として力を入れている『鉄筋組立講習会』では、現場の技術者が地元の工業高校へ出向き、実際の鉄筋部材を学校に持ち込んで工事の実演を行っている。鉄筋に携わる仕事の面白さ・奥深さを学生たちに直に経験してもらい、理解を深めるこの取り組みは「出前講座」と呼ばれ、定着している。
「我々の業界は『人が来ない』と言いながら、若者が入って来ないような状況を自ら作ってきた。若い人材が必要ならば、私たちから歩み寄らないと、と考えて始めました。10年続けてきた今、大きな手応えを感じています」(池田会長)
「出前講座」の甲斐もあり、同社はこの10年間、新卒入社が途切れたことがないという。同社社員の平均年齢は34歳と業界でも若い。
一方で、設立時から現場を牽引してきた大ベテランの社員が在籍し、ノウハウと知見を共有しながら、時代の流れに応じて一線で活躍していることも同社の大きな強みである。
こうした取り組みから、厚生労働省の「建設分野における『魅力ある職場づくり』に向けて」の好事例として同社が選ばれている

信念を貫き
職場環境に基盤を


 職人の社員比率が高い同社は、顧客である大手ゼネコンから一次事業者として工事を請け負う機会が多い。水平展開することで他社より浸透が早く、品質・技量の均一化によって他社にできない高い技能が発揮できる環境があるのだ。
 同社が特徴とする三位一体″体制は、建設工事を「施工図」「加工場」「現場」の3段階で分業し、専門性を高めながら業務の省力化を実現している。特に施工図の制作は従来、現場で技術者が図面に手書きで描き込むことが多い中で、図面のエキスパートが社内で施工図を制作する体制を築いた。精度の高い施工図、そして現場のためにひと手間かけた加工によって、現場で緻密かつ円滑に組立てる仕組みを設立当時からいち早く導入し、他社との差別化を図っている。
市原の本社を拠点にして40年間以上、〝三位〟が毎日集結し、ミーティングを重ねることで、総合的な技術力が自然に生まれています。ここ数年、ジャバラユニット工法の導入等、積極的に省力化・生産性向上に注力していけるのも、このチーム環境があるからだと思います」
 と語るのは、二代目となる池田洋一社長だ。
 この5月に就任3年目を迎える池田社長は、98年に大学卒業後、同社のクライアントでもある大手ゼネコンに入社。5年間、現場での経験を積み、2003年に同社へ入社した。当時の経営状況は決して良いものではなく、新入社員の定着率も低かったという。そんな危機的状況の中で、大事なことが見えてきたと池田社長は当時を振り返る。
「私たちが長年培ってきた技術力は、絶対に同業者に負けないと思っています。この技術力に社員は自信と誇りを持てるようになる。会社の『核』であり、身を持って社風を表してくれているのは、現場に出ている多くの社員です。私たちは技術力でナンバーワンと言われる会社を目指します
 と、池田社長は語る。


技術にプライドを持ち
「人」を大切に 


 池田社長は7年前から積極的に外国人技能実習生の受け入れを実施。同社には現在22人のベトナム人技能実習生が在籍する。
「賃金を安く抑えられるから、という考え方はしたくない。時代と向き合った中で共に貢献していきたい」
 と池田社長は話す。その姿勢には会長が貫いた信念に通ずるものが見える。 
 今後は更に若手社員の確保が難しくなっていくであろう中で、池田社長は働き方改革、4週6休への対応を視野に入れながら、新しい工法へのチャレンジや省力化にいち早く取り組む企業でありたいと考えている。一方で、家族のような会社でありたいという会長が築いてきた「原点」も大切にしている。
父である先代は職人さんの雇用に対して先見性があった。今、正社員として職人を雇用し始めている同業者が多いと聞きます。そんな中で、私たちは更にその先を見ながら先陣を切って、先端の考え方を示していかなければならないと考えています
 と話す池田社長は、この先50年、100年企業として継続させる次世代へのビジョンを果敢に描く。


【会社データ】
本社=千葉県市原市五井8854
☎=0436-22-0151
設立=1973年5月
資本金=1000万円
従業員数=79名
事業内容=鉄筋工事に関する一切の施工請負
http://www.dainisay.co.jp

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