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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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アディコム(シリーズNo.1091)

独自の教育カリキュラムで即戦力を供給
物流現場を変革する請負・派遣専門企業


中瀬 顕二郎 社長

 物流の「質」で差をつける――。インターネットの普及によって消費者のライフスタイルが大きく変化する昨今、荷主企業が〝付加価値〟として求めているのは、商品を正確かつスピーディーに届け、顧客満足度を高める〝物流のスペシャリスト〟である。

 物流業務の請負からスタートし、今年で創業5年目を迎える株式会社アディコムは昨年10月に人材派遣業の免許を取得。業務の専門的な知識とスキルだけでなく、モラルを重視した独自の教育カリキュラムを用意し、クライアントのニーズに応える〝即戦力〟を最前線に送り出しているのだ。

「熾烈な価格競争を勝ち抜くためには業務の中身で価値を高め、同業他社との差別化を実現しなければなりません。生産性が高い〝戦える〟人材を育成することで、これまでは真っ先にコスト削減の対象になっていた『物流センター』が大きな強みに変わるのです」
 と話すのは、中瀬顕二郎社長。広告代理店を退職して物流業界に入り、着実に実績とノウハウを積み上げる傍ら、いわゆる「3K」(きつい・汚い・危険)のイメージが先行し、優秀な人材が定着しない物流の現場を改善するためには教育の力が重要だと実感した。

 同社は、業務遂行能力と社会的モラルの高い人材を安定的に供給することで、物流部門をビジネスにおけるクリエイティブなポジションへと変革。社名の如く、物流の現場に新たな価値を「ADDING」(付加)することで確かな信頼を集めている。

 また、登録スタッフに対する教育カリキュラムでは、定期的に開催する「カイゼン報告会」や社内研修・OJTに加え、外部研修も積極的に取り入れて資格取得をサポート。より専門性の高い技能を身に付けることで一人ひとりが高いモチベーションを維持し、キャリアパス実現に繋がっている。

「個性的な人材が多い物流の現場に社会的責任としての教育を浸透させることは難しい面もあります。しかし、モチベーションが高い人材に明確なキャリアパスを示してあげれば、お客様に喜んで頂ける新しい提案が生まれます」と、中瀬社長は話す。
 
「QCD」の満足を追求
3PL市場に本格参入
 
「マンパワーソリューション&クリエイティブ」という独自の観点からステークホルダーを強く意識し、クライアントが求める「QCD」(品質・価格・納期)の満足を追求する同社。その先に見据えているのは、堅調に規模が拡大する「3PL」(サード・パーティー・ロジスティクス)市場だ。

 東京オリンピックが開催される2020年までに「請負」「派遣」という事業の両輪をさらに強化。3PLを主軸とする総合的な物流サービス体系を確立し、サプライヤーとしての存在感を高めて「20年後に売上100億円」を目指す。    
 
【会社データ】
本社=埼玉県さいたま市大宮区宮町1―96―4 岩井ビル5F
☎=048―871―5960
設立=2010年10月
従業員数=21名
事業内容=物流構内請負業、一般労働者派遣事業(般―11―300634)
有料紹介派遣事業(11―ユ―300495)

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