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メトロ電気工業シリーズ(No.1724)

電熱のパワーがガス燃焼に勝る?
「オレンジヒート®」が”超”モノづくり部品大賞受賞


川合 誠治 社長


 去る10月24日、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社主催の第16回「”超”モノづくり部品大賞」で並み居る大手企業を抑えて、愛知県安城市のメトロ電気工業株式会社(川合誠治社長)が開発した高出力・高効率のカーボンヒーター「オレンジヒート®」が、大賞を受賞した。
「オレンジヒート®」とは、高純度炭素繊維の薄板を耐熱性の高い石英管に不活性ガスと共に封入した、赤外線カーボンランプヒーター。
従来のカーボンヒーターに比して赤外線放射性能に優れ、短時間で最高温度1300℃まで達する立ち上がりの早さも好感されて、「工場用暖房器」や「金型加熱器」「食品焼成機」など、これまでのガス燃焼方式に代わる加熱方法として、産業用途に導入が進んでいる。


 その他にも、きめ細かな温度調節が可能で、燃焼のないことによる安全性やクリーン度、省エネ性能、低ランニングコスト等、多くの特長を持つ「オレンジヒート®」は、その「加熱方法の革新と大幅な環境負荷低減」が評価されて、今年2月には「愛知環境賞2019」銅賞を受賞。今回の大賞受賞は一歩進んで、日本のモノづくりの国際競争力強化を後押しする重要な加熱用部品として、「オレンジヒート®」に更に誇らしい折り紙が付いたことになる。

「オレンジヒート®」は
産業界の様々な用途に


白熱電球「メトロランプ」から電気こたつ用ヒーターユニットまで、光源と熱源の専門メーカーとして106年の歴史を刻んできた同社は、「オレンジヒート®」の開発・認知度向上を機に、最終製品の形まで自社で作り込む制御・板金機能を本社工場に追加し、更に用途開発を加速させている。
 その第一弾が今年9月発売の、「オレンジヒート®」を熱源に使用したエリアコントロール式「ハイパワー面状加熱システム」だ。
これは、近年開発が進むEV車のボディーなどに使われるCFRPの加熱工程の時間短縮と省エネを実現するもの。制御盤のタッチパネル操作でエリア毎の出力を調整し、最適な温度分布を設定できるシステムだ。
 更に今年10月には、軽量・コンパクト設計の赤外線ヒーター式「ハイパワーハンディ加熱器」を発売。小範囲の塗装後の乾燥や、食品の焼成・炙り・焦がし、カーペットや畳などのダニ駆除・殺菌など、手持ち式ならではの利点を生かした様々な用途に利用可能だ。
同社ではこれまでも、「オレンジヒート®」を熱源とする「フライヤー」や「焼き物器」「電気七輪」「甑(こしき)」など、アイデア溢れる製品を世に送り出してきたが、最終製品メーカーとなった今、その用途開発のスピードに更に拍車がかかる。
「従来、電熱ではパワー不足で無理とされ、やむを得ずガス燃焼加熱に頼っていた工程の多くは、当社の『オレンジヒート®』で代替可能です。安全・安心・環境のためにも、各種加熱設備メーカーにはガスバーナーに代わる熱源として『オレンジヒート®』を使った設備の開発を提案したい」
と川合社長は、ガス加熱から電気加熱への転換に期待を寄せる。


【会社データ】
本社=愛知県安城市横山町寺田11-1
℡=0566-75-8811
創業=1913年5月
資本金=6000万円
社員数=92名
事業内容=各種加熱器・ヒーター管開発・製造・販売
http://www.metro-co.com

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