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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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うとQ(シリーズNo.1067)

オンリー・ワンの本来の自分を取り戻す!
気づきで変える、うつ病コンサルティング


宇都宮 一貴 社長

 心の病を〝直す〟人がいる。株式会社うとQの宇都宮一貴社長だ。閑静な住宅地にあるコミュニケーションルームは常に扉を開放し、うつ病をはじめ、アダルトチルドレンや引きこもり、仕事や子育てのストレスなど、心に深刻な悩みを抱える多くの相談者を温かく迎えている。

「従来の診療室で行われるカウンセリングでは相談者が圧迫感を覚えてしまいます。うつ病に苦しむ方にとって一番辛いのは〝誰にも話せない〟こと。あらゆる気遣いで寛ぎの空間を整え、一人でも多くの方の快復をサポートするために〝直る〟までお付き合いします」
 と話す宇都宮社長は大手総合電機メーカーに勤務していた当時、重度のうつ病を発症。12年もの間、苦悶の日々を過ごす中で左遷やリストラ、降格、離婚など数々の辛酸をなめてきた。
 そしてある時、大きな「気づき」による発想の転換から、僅か3カ月程度でうつ病を克服した。そこには3つのポイントがあった。
 ①身の丈で生きる
 ②内(自分)から外(他人)へ思考の視点を変える
 ③人の話に耳を貸す
 自らの実体験を活かし、薬の処方や一時的な対症療法で〝治す〟のではなく、時間をかけて物事の考え方や見方、捉え方の歪みを根本から〝直す〟宇都宮社長のコンサルティング。一人の相談者と3時間じっくり対話するため、1日に対応できる人数は3人までだ。
 また、いわゆる「サザエさん症候群」などに対応すべく、土曜日・日曜日の活動を強化。コンサルティングに対する敷居を極限まで下げるため、大半のサービスを無料で提供している。
「仕事への自信を失くし、お金を稼げなくなることに不安を抱える方にとって、有料のサービスを受けるには勇気が必要。あらゆる面で『バー』を下げることを考えています」(宇都宮社長)
「愛情」と「数字」を世の中の両輪と捉え、社会復帰後に役立つ経済・経営の知識や考え方も教えている。
 働いている期間と属している社会を「就業期間社会」と名付ける宇都宮社長。就業前の学生から、うつ病で一時的に避難した人、子育てで休業中の母親、退職者、「就業期間社会」に身を置く心の病の予備軍まで、相談者が本来の自分を取り戻すための「気づき」を提供しているのだ。
 

60歳から人生スタート
日本の就活を変える!

 
「60歳までは助走期間。これからが本番、人生のスタート」と語る宇都宮社長。将来、うつ病などで挫折を経験した人に特化し、再起を促す就活サイトを立ち上げることが目標だと言う。
「苦しみを味わった人が立ち直った後の粘り強さや打たれ強さ、将来への豊かな知見は企業が求めている素質。うつ病をプレミア要因として捉える企業と人材を対等にマッチングさせ、日本の就活を変えたいですね」
 宇都宮社長の想いは、オンリー・ワンが共鳴し合う企業と人の新たな形に「気づき」を与えてくれる。
 
【会社データ】
本社=神奈川県川崎市麻生区王禅寺東5―34―7
☎=044―989―1698設立=2014年4月
事業内容=うつ病コンサルティング

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