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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

東陽物産(シリーズNo.1758)

生シイタケ栽培・菌床輸入販売で急成長
時代と共に進化を続ける食品材料貿易商社

金子 福潤 社長

「変化に対応できない経営者は脱落する。時代と共に進化しなければ会社の経営と従業員の生活を守ることはできません」

 と話す金子福潤社長は1981年に中国から来日し、 86年には日本生活協同組合連合会(CO・OP)の海外事業本部に入社。当時まだ確立されていなかった中国の仕入れルートを開拓し、高度な日本の食品生産・加工・保存・物流などに関する技術を現地で徹底的に指導しながら厳格な管理と安全性の維持を実現した。
「例えば、大型食材であるタケノコの缶詰の生産では、その日に採れた新鮮な原料を必ず当日にボイルし、大事なPH調整を缶ごとに測定する。作った缶詰は生の水煮商品に近い食感が人気を呼び、高く売れました」
 と回想する金子社長は98年、50歳で独立して同社を創業。「天津甘栗」の輸入販売からスタートし、大手デパートに店舗も構えた。

しかし、若者の食習慣の変化や取扱店の人材不足などを受けて業態変換。「さきイカ」などの乾燥珍味や「栗の甘露煮」、さらにはブルーベリーを主原料とするサプリメントまで商品ラインナップを広げていった。
「地球温暖化の影響なのか、近年はイカなどの資源が枯渇し、極端に値上がりするケースもある。インターネットの普及と情報の高度化によって誰でも安く商品を買えるようになり、貿易のコントロールや商社の機能を保つことが難しくなっています。しかし、労働した価値が収益に繋がるメーカーであれば生き残れる。日本での生産やスーパーへの直送など戦略も変えていかなければなりません」
 と話す金子社長は子会社として千葉泉産業㈱を設立し、自社工場を創業。独自の空調技術で年間を通じて保温できる40棟のビニールハウスを作り、一昨年9月からシイタケの栽培を行っている。「安価で美味しい」と評判を集める「いずみ」ブランドのシイタケは卸売市場でも高いシェアを誇り、大手スーパーから連日追加注文を受けるほどだ。
 また、シイタケの菌床は中国の指定工場で栽培し、千葉の自社工場が輸入して使用すると同時に、同業他社にも販売。過去1年間に取り扱う菌床は日本の総輸入量の実に4分の1(業界誌調べ)を占めている。

農業の空洞化を埋める
スーパー一面に商品を

 栽培開始から僅か1年半、シイタケと菌床の販売を合わせて既に年商10億円超の売上達成を見込む千葉泉産業㈱。同社の代表も兼ねる金子社長は日本の農業を充実させることがビジネスチャンスだと考える。

「競争力が高いシイタケだけでも売上を伸ばせますが、日本の農業には隙間がある。小さな会社でも経営者が常に先頭に立って考え、空洞化している場所を見つけながら正しい道で進化すれば、出来ることが必ずある」
 と金子社長。今後も農産物のジャンルを広げ、スーパーの一面を自社商品で彩ることが夢だという。

【会社データ】
本社=東京都江東区東陽2―4―46 ASKビル5F
☎=03―3649―7171
設立=1998年8月
資本金=3500万円
売上高=35億円(グループ連結)
事業内容=乾燥珍味、香辛料、農産加工品、健康食品素材等の輸入・販売

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