『サンデー毎日』2/15号掲載
地域コミュニティとの共生がカギ
〝街の調剤薬局〟のあるべき姿を目指して
大崎 輝昭 会長
「かつては街の八百屋や魚屋が地域コミュニティの担い手でした。人々の関係が薄まるなかで、〝街の調剤薬局〟として、地域の繋がりを形成したい」
こう話すのは、株式会社ミキ薬局の大崎輝昭会長。
同社はアイ薬局を運営する㈱F&Oコーポレーションと共同で、東京都・千葉県内に調剤薬局10店舗、医療モール2か所を展開している。地域密着型の調剤薬局には、多い店舗では200か所の医療機関から患者が訪れており、地域住民からの高い信頼度が伺える。
「複数の医療機関で受診している場合、『どのような薬を服用しているか』を患者から医師にうまく伝えられないと、同じ薬が処方されることもあります。患者ごとにデータベースで一括管理し、そうした過剰な服用を避けることが私たちには可能です。また、薬の説明は丁寧に、伝わるように。医師には聞けなかった質問もできる〝街の調剤薬局〟を目指しています」
大型病院近くに店舗を構える〝門前薬局〟の多くは昨年4月の厚生労働省による診療報酬改定で調剤報酬が引き下げられた。大手調剤薬局各社では売上拡大を狙ったM&Aが盛んだが、手間に見合う利益がでるのか、疑問の声もある。
「質に注力し、売上高ナンバーワンではなく、地域に貢献できる存在を目指せば、自然と利益率もよくなる」
と話す大崎会長。2社は合わせて年間20億円を売り上げ、高い利益率を保持するほか、業界3位のクラフト㈱と業務提携もしている。
地域に合わせた医療モール
住民の声に耳を澄ませて
これまでの経験を生かし、2006年、10年に開設したのが調剤薬局と複数の医院が集まる医療モールだ。地域住民の声をもとに実情を調査し、ふさわしい場所や誘致すべき医院を策定。オーダーメイドの医療モールを作り上げている。
「医院が点在すると、患者の負担は大きくなる。目の前に選択肢が広がる医療モールなら、その負担を軽減できます。あくまでも患者目線で、地域社会に貢献する場所でありたいです」
賃借希望があれば面接をし、想いに共感する医師には安い賃料で貸し出すなど、開業医にとってもチャンスが広がる。医療モールを単なる場所貸しではなく、地域コミュニティの中核として展開したい大崎会長。〝街の調剤薬局〟を目指す考えと、事業展開を見事に結実させた好例といえる。
「小規模・マンツーマン体制の調剤薬局は、消費増税も絡む、来年の薬価改正で淘汰されるでしょう。加えて、補助金の出ない一般開業医も、これからより厳しい局面を迎えます。生き延びるにはコミュニティの中心であることが不可欠。また、地元コミュニティのなかで開業するようになれば、医療過疎地の増加を食い止める助けにもなるはず」
転換期を迎える医療・調剤薬局業界に、行動と共に大崎会長は提言する。
【会社データ】
本社=東京都江戸川区篠崎町7―21―8
☎=03―6638―1414設立=1988年5月
資本金=1000万円
従業員数=29名
事業内容=調剤薬局・医療モールの運営
[2回]
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