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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

オカフーズ (シリーズ No.1642)

全てはステークホルダーの役に立つために――
環境整備で〝SHINKA〟する水産加工メーカー



岡 孝行 社長


 水産加工食品や冷凍魚介類の開発・製造・販売などを手掛け、40年以上の業歴を積み重ねる株式会社オカフーズ。企業理念として掲げる「ステークホルダーの役に立つ」を体現するため、徹底した「環境整備」と独自の業務改善プロジェクトに取り組み、さらに成長を遂げている。
「自分一人だけでも得られる『満足』とは異なり、相手に対して何かをすることで得られるのが『幸せ』。直接の販売先である問屋様に売って終わりではなく、その先の調理現場で商品を取り扱うユーザーや喫食者の皆様、仕入先様や協力工場の方々、社員一人ひとりの物心両面の幸せを追求することが当社の理念です」
 と話す岡孝行社長は法政大学経済学部を卒業後、カナダに2年間留学。帰国して輸入食品を取り扱う中小企業に就職した3年後には再び上海に語学留学し、その後は日系商社の支店に勤務することが決まっていた。



 しかし、創業社長である父君の後継者とされていた専務取締役が急逝し、岡社長は帰国。2003年に同社に入社し、語学力を生かした海外からの原料調達や生産管理、中小企業勤務当時に学んだブランディングなどで手腕を発揮した。
 やがて専務取締役に就任し、ベトナム工場の設立準備を進めるなど、経営に深く関わるようになる中、急転直下で大きな転機が訪れる。11年の東日本大震災だ。
 震災後の対応や取り組みを間近で見ていた当時の副社長による強い推薦を受け、8月から父君に代わって社長に就任。会社の実情に触れながら企業経営の本質を探るべく、数々のビジネス書などを読み漁る中で出会ったのが「炎のコンサルタント」との異名を持つ一倉定氏が著書で記した「環境整備活動」の重要性である。

変わるか無くなるか――
海外工場も思想を共有



就任して先ず感じたのは、業績や業歴といった良い数字を見ているだけでは気づかない企業文化の未熟さでした。父は経営理念を地道に推進していましたが、時代や環境の変化に対するアプローチが私と違うと感じていました。『このままでは、私が目指す会社にならないので大きく変えよう』と決意しました」    

と、当時を振り返る岡社長は3年以上にわたって父君と激しい衝突を繰り返しながら改革着手を決心。売上や利益を度外視した環境整備を自ら実践していく。
「始めは社員全員が反対するくらいの事をしなければ改革はできません。『変わるか、会社が無くなるか』という覚悟で、先ずは私自身が変わるために、環境整備に取り組もうと考えたのです」(岡社長)
 毎朝一人で事務所を掃除する岡社長の姿に不安を覚える社員もいた。孤立無援で環境整備を進めていた12年12月、朝礼後の25分間を使って全社で活動する方針を発表。実行に移しても尚、当初はほとんどの社員が戸惑いを隠せなかったという。
 また、経営戦略よりも理念を重視する自身の思いを浸透させるために「方針手帳」を作成し、毎年少しずつブラッシュアップ。「社長によるお客様訪問」を実行し、スピーディーで的確な顧客ニーズの掌握に努めた。
 こうして始まった全社一丸の環境整備活動は社員一人ひとりの気づきを生み、着実に行動を変革。隅々まで行き届く社内清掃だけでなく、月に1回、地域住民とコミュニケーションをとりながら本社周辺の清掃も行っている。壁の塗装や壁紙の張替えも外注せず、社内で対応しているという。
「社員全員が外部志向を持ち、ステークホルダーの皆様に感動を与えるようになることが目標です。全社で取り組み始めて丸6年。まだまだ目標のレベルまで到達していませんが、最近は外部から見学に訪れる方が増えるなど一定の成果は出ていると思います」(岡社長)
製造を担う中国とベトナムの専用工場でも日本と全く同じ活動に取り組む同社。ここでも現地法人のトップがトイレ掃除を行っており、グループで思想の共有が深化している証だ。
 7年目に突入した環境整備活動はさらに進化。それまで入りづらかった社長室は、気軽にコミュニケーションを図れるカフェとして開放され、社内各所に緑化を施すなど社員目線での職場改革が着々と進んでいる。
 また、ペーパーレス化に繋げるためのFAXによるデータ受信に加え、パソコンの起動を早めるためにハードディスクの交換を進めるなど業務効率向上を追求した新しい活動も始まっている。昨年から導入した業務改善システムは、一人当たり年間400~500時間の時短も実現したという。
「定時も17時に早め、少人数で仕事が完遂できる仕組みも作っています。余った時間や人員を有効に使うことも業務効率と社員のパフォーマンスを向上させます」
 と話す岡社長は社員の健康にも配慮し、今年8月からジムやヨガに通う社員の月謝を半額負担。健康診断のオプションを受診する際の費用補助も検討している。
  
未来へのアプローチ
ファン1万人目指す



 そして今、環境整備活動による意識改革は社内に創造性を齎している。新設のキッチンスタジオで行う来客との会食では趣向を凝らした「おもてなし」を提供し、業務改善の一環で昨年から開始した「FISH活動」ではRPA(ロボットによる業務効率化)を導入するなど新化も止まらない。

「マネージメントは過去、リーダーシップは人と未来に対するアプローチです。人に喜ばれることなら何でもアリ。制限はかけません。私も経営者としての素直さを忘れず、多くの仲間と協力・連携してきたいですね」
 と話す岡社長が旗を振る20年(21年5月期)までの3カ年計画は「SHINKA」(深化・進化・新化)がテーマ。新たな仲間となるステークホルダーを増やし、一人でも多くの人に幸せを届けるため、ユーザーの「ファン1万人」を目指す。


【会社データ】
本社=東京都中央区築地2-4-2 築地242ビル6・7F
℡=03-3543-9515
設立=1975年6月
資本金=4000万円
従業員数=40名
売上高=75億3500万円
事業内容=水産加工食品及び冷凍魚介類の開発・製造・輸入・販売
https://okafoods.jp

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