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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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長府工産 (シリーズNo.1798)

経営基盤と人材が事業の進化を支えて40周年
脱炭素社会を担う住宅設備機器メーカー商社


伊奈 紀道 社長


 新政権が「経済と環境の好循環」を成長戦略の柱に掲げ、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」「脱炭素社会」の実現を目指すことを力強く宣言した。地球温暖化による気象変動が毎年のように私たちの暮らしを脅かす中、今年で設立40周年を迎えた長府工産株式会社は住宅設備機器の製造・販売を通じて国のエネルギー・環境政策に貢献し、多くの家庭に安心安全で快適な生活空間を届けている。
「40年間会社が存続できた要因は普通のことを地道に続けてきたから。誰もが納得のいくように事を運べば社員たちもついてきます」
 と話す伊奈紀道社長。先代から「公平公正」の企業理念を受け継ぎ、2代目のリーダーに就任してから今年で14年目を迎えている。


 1980年6月に住宅設備機器メーカーとして設立した同社は、84年に当時の主力製品である石油給湯機の販売を開始。大手メーカーがひしめく市場への参入でありながら、充実した製品バリエーションとサポートが消費者から高い評価を受け、「長府工産ブランド」として永く愛されてきた。
 しかし、20年後の2004年に「エコキュート」が普及し始めたことで給湯機業界は激変。市場の大幅な縮小に直面する中、同社はメーカーとしての役割は維持しながら、様々な電化商材の販売事業に本格的に取り組む「メーカー商社」に転換を図る道を選択した。
「最も厳しい状況で社長を引き受けましたが、それまで堅実な内部留保を続け、安定した経営基盤が出来上がっていたからこそ思い切った決断ができたのです」
 と、伊奈社長は就任当時の大転換期を振り返る。

過去最高売上を達成
新たな事業コンセプト


 その後、着実に商社機能を強めながら見事に「メーカー商社」へ進化を遂げた同社は、住宅設備機器の流通業界で確固たるポジションを確立。多彩なメーカーの太陽光発電システムやオール電化製品、蓄電池など製品領域を拡充するとともに、ハウスビルダーを中心とする新規顧客の開拓に注力したことで右肩上がりに業績を伸ばしてきた。
「地球温暖化の影響で予想外の場所で災害が起こり、被害の規模も大きくなっている。特に蓄電池は、停電した際にも電気を使わなければならないコンビニなどで需要が高まっています」
と伊奈社長が話すように、太陽光発電や蓄電池が業績を牽引し、20年3月期の決算では過去最高となる240億円超の売上を記録。モノづくりのノウハウと商社としてのコーディネート力を存分に発揮しながら、国策として推進される「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」事業にも力を入れている。
車のバッテリーと連動して家庭の電気を充放電する給電装置など、今年からEV車の普及を見据えた事業展開を図る同社。既に水素バーナーを搭載する水素給湯器の実証実験にもチャレンジしており、エネルギーの自給自足に繋がる将来性豊かな商材に取り組むことで究極の「脱炭素社会」の実現に貢献していく。
伊奈社長は昨年4月、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」「事業活動によって社会に貢献する」という経営理念の下に、自社の事業環境と近未来に予測される市場の変化を踏まえ、3つの新たな事業コンセプトを発表。今後進むべき方向として〝地球規模で潮流となっている環境問題改善に対し、事業活動で貢献する〟ことを改めて示した。

・美しい地球を未来の子供達に
・低炭素社会の実現に貢献
・再生可能エネルギーの最大化

「世界の潮流と国の政策をキャッチしながら最善の事業を選択していきます。『長府工産は昔こんな製品を売っていた』と言われるくらい扱う製品が変わっても、組織がしっかりしていれば良いのです」(伊奈社長)
 常に環境変化に対応しながら、柔軟に製品ジャンルを広げてきた40年。かつて主力製品であった石油給湯機の売上は現在、およそ全体の5㌫に留まっている。
 
35歳までが勝負!
社員に成長と幸せを


 新たなビジョンの実現に向け、伊奈社長が進化を促しているのは事業だけではない。「脱炭素社会の実現」の一翼を担う企業として営業力の強化を図るべく、人材教育にも注力している。
「営業という職種である以上、結果を出さなければいけない。しかし、結果が出ていない社員に対し、会議の場で口煩く指摘しても良くなるわけではありません。自ら動き、結果が出た時の達成感を味わう。大切なのは自分でスキルアップを図ることであり、お手本なら周りにいくらでもいます」
 と営業社員への教育について話す伊奈社長は常々、「会議で気配を消すような人にならないで欲しい。自分が損をする」と社員たちに語り掛けているという。
 また、最も能力を蓄積できる〝35歳までが勝負〟と位置づけ、仕事のスキルだけでなく人間力の成長も促す伊奈社長。一人ひとりが高みを目指すことで行動が変わり、結果が出て、会社から評価されるという好循環が生まれることで、さらに強固な人材力と組織力が社内に育まれるという。
「35歳までに組織の中で平均以上の力がついていなければ、その後の昇給はない。35歳までに一定レベルに達していれば、たとえ当社を離れることがあっても社会から評価される人物になるでしょう」(伊奈社長)
 200名を超える社員の平均年齢は37歳。まさに勝負の時を乗り越えた社員たちの活躍こそが事業を成長させると考える伊奈社長は教育だけでなく、社員がモチベーション高く、安心して働ける風通しの良い会社づくりにも余念がない。
「社員一人ひとりが幸せであればこそ、お客様にも幸せをお届けできる。将来にわたって、社員が『うちの会社は頑張れば報われる』と思えるような環境を作っていかなければなりません」
 長府毛利藩5万石の城下町として栄え、多くの幕末志士が所縁を持つ下関・城下町長府。歴史が動いたこの街で次代を担う人材と事業を育て、地球環境と豊かな暮らしを守る同社の維新に今から胸が躍る。


【会社データ】
本社=山口県下関市長府東侍町1―5
℡=083―245―5441
設立=1980年6月
資本金=3億円
従業員数=210名
売上高=241億6300万円
事業内容=石油瞬間給湯機、太陽熱温水器、床暖房システム、焼却用風呂釜、ボイラー関連部品などの製造・販売、太陽光発電システム、オール電化製品、各種住宅設備機器の販売
https://chofukosan.com

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