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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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佐藤電機製作所(シリーズNo.1800)

ものづくりで未来を創る精密板金加工会社
山梨県屈指の設備力とIT化で「生産革命」



佐藤 薫宏 社長


 金属を使った筐体を中心に、分析装置をはじめとする医療機器や半導体検査機器、情報通信機器、防災無線装置等のインフラ関連機器といった幅広い製品の精密板金加工を手掛ける株式会社佐藤電機製作所。日本を代表する数々の大手メーカーとの直接取引を実現し、着実に事業を拡大させてきた最大の原動力は、山梨市の自社工場が有する比類なき設備力だ。
「常に高い精度が求められる当社の仕事は設備産業の側面もあり、厳しい時でも身の丈以上に機械に投資してきました。設備と技術力を高く評価して頂き、他社で出来なかった仕事を引き受けることもあります」


 と話すのは、今年4月に先代の父君から事業を継承した佐藤薫宏社長。測定器の修理などを請け負うために祖父君が創業してから70年近い業歴を持つ同社のモノづくりを、3代目のリーダーとして牽引している。
 特にブランク工程や曲げ工程、溶接工程に重点を置き、大手金属加工機械メーカー製の最新設備を次々と導入してきた山梨工場では板金加工だけでなく、プレス加工からメッキ・塗装・印刷などの二次処理、部材調達、組立までワンストップで対応。この「県内屈指の最新設備」「一貫生産体制」という強みから、「超多品種少量生産」という3つ目の強みも生み出されている。
「現場に根付いていた大量生産のマインドを転換させる当初は混乱もありました」
 と振り返る佐藤社長は6年間、根本から生産体制を変えるために山梨工場で勤務。様々なイベントを企画するグループを作り、自ら参加することでコミュニケーションを深めながら着々と意識変革を促してきた。
 また、佐藤社長は先代の当時から取り組むIT化も進化させた。医療機器をはじめ、バーコードで進捗を把握する製品が増える中、モバイル端末の活用による〝見える化〟で生産工程を一元管理し、工場内で情報を共有。生産性の向上に繋げるとともに、社内のコミュニケーションツールとしても機能しているという。

提案型営業を強化
仕事にやりがいを

 最近は5G関連の製品にも取り組み、今年から航空機産業にも参入。佐藤社長は提案型営業を強みとして、事業の裾野を広げていく。
「材料の段階から『ここをこうしたら良い』と提案できれば結果的に作り易さやコストダウンに繋がる。出来ることが増えると部品単位でなく、装置一式を発注して頂く機会も増えます
 と話す佐藤社長は、ヒトとITを模した「家紋」としてロゴマークも刷新。属人的だった教育もマニュアル化し、動画の活用で誰もが等しく高い技術を習得できる環境を整える方針だ。
「世の中の役に立つ、責任ある仕事に携わるやりがいを感じて欲しいですね」
 と、佐藤社長はミッション&バリューのさらなる浸透にも力を注いでいく。

【会社データ】
本社=東京都三鷹市中原3―1―53
☎=0422―45―3241
山梨工場=山梨県山梨市中村772―1
☎=0553―23―0037
創業=1951年7月
資本金=2000万円
従業員数=61名
売上高=10億7000万円
事業内容=精密板金加工等
https://s-d-s.co.jp

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