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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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ウイルコム(シリーズNo.1397)

真のニーズと向き合うモノづくり企業
携帯電話で高齢化社会の暮らしを守る

髙橋 剛治 社長

 本当のニーズはトレンドの中だけに存在するとは限らない。例えば携帯電話。飛躍的に進歩した機能性に注目が集まる一方、超高齢化社会へと突き進む日本にとって本当に必要な商品はどこにあるのか――。ウイルコム株式会社は、その答えを追求しながら独創的な商品を開発し、近年著しい成長を遂げている。髙橋剛治社長は語る。

「ネット社会が発展する傍ら、お年寄りの中には使い方すら分からない方が多い。お年寄りの動線を考えながら使い易く、経済的負担も少ない商品を開発し、暮らしを守りたいですね」
 その思いを乗せたシニア向け多機能SIMフリー携帯電話「CP100」が4月に発売される。モバイルアクセサリーベンダーの㈱ナビックス(松本浩二代表)と共同開発を行い、髙橋社長は「今年の目玉商品」と位置付ける。
 文字サイズや入力キーを大きくし、FMラジオ機能や停電時にも役立つLEDライトを搭載。予め登録した5件の連絡先に順次緊急事態を伝える「SOS機能」は、“見守られる”ことを好まない一人暮らしの高齢者にとっても有り難い。「操作に自信がない」「機能が充実した機種が欲しい」「防災・防犯面も重視したい」と考える人にはおススメだ。
 動画・写真の撮影や音楽の再生はもちろん、格安SIMにも対応するなど豊富な機能を持つ「CP100」だが、インターネットには接続できない。電話以外の通信方法はショートメールのみ。そこにも、携帯電話で「暮らしを守りたい」という髙橋社長の思いがある。
「固定電話を無くすことで振り込め詐欺に遭う可能性が下がり、年金暮らしで支出を抑さえることにも繋がります。さらにインターネットに接続できなければ、誤って不正な広告をクリックすることもありません」

レガシー家電で市場開拓
世界レベルで「心」を掴む

 自動車用品に始まり、SDカード・ビデオテープ・カセットテープなど磁気メディアを中核とする、いわゆる「レガシー家電」のオリジナル商品を次々と生み出してきた同社。髙橋社長が常に注目するのは「大手企業が撤退する市場」だ。
「どれだけの人と会い、アンテナを広げられるかが大事。多くの方々に協力して頂き、私はモノを作るときに困ったことがありません。お互いがマッチングする部分は必ず存在するのです」
 と語る髙橋社長は単身で中国に渡り、現地の工場で10年間の開発経験を持つ。その時、人と人を結び付けるのは「心」だと痛感。そして今では北京語、広東語、台湾語、英語等の多彩な言語を使えるようになったと言う。今後は海外戦略にも打って出る。「日本ブランドの構築」が次のテーマだ。
「CP100」の発売と同じく、4月にはキャリアショップもオープン予定。さらなる業務拡大を控えて人材採用にも力を入れるほか、昨年12月から台湾オフィスを開設し、グローバルなニーズに応えていく。

【会社データ】
本社=神奈川県横浜市金沢区福浦2-11-2
☎=045-370-8090
設立=2000年11月
資本金=3000万円
売上高=11億5000万円(2017年5月見込み)
事業内容=携帯電話周辺機器・用品及び自動車用品・日用品等の製造販売
http://www.willcom-co.com

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