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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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キタデン(シリーズNo.1469)

電気設備工事会社からビルメンテナンスに進出
技術とスピード、提案力でビルオーナーをサポート


伏木 進 社長

 建物の安全と美観を保ち、利用者に快適な空間を提供するビルメンテナンス。ほとんどの事業者が清掃業を母体とする中、電気設備工事から発した稀有なビルメンテナンス会社として、道内随一と言える存在感を放っているのが株式会社キタデンだ。
「清掃や警備の仕事で品質の差をつけるのは難しい。電気をはじめ空調や給排水、防災などのインフラ設備はビルの心臓部。オーナー様が一番困る部分に安心を届けられることが強みです」
 と話す伏木進社長。「電気設備工事会社生まれ」という明確なカラーを作った父君の先見の明で創業し、札幌オリンピック主会場となった真駒内競技場や札幌駅・大通間の地下歩行空間をはじめとする名だたる施設の設備管理に携わりながら、取引先との半世紀近くに及ぶ信頼を守り続ける。
 北電力設備工事㈱の管理部門から分社した同社は建設業と同様の許認可を取得し、電気設備だけでなく管工事や機械設備・消防施設工事などにも対応。あらゆる工事に横串を通して対応できる幅広い技術力と、緊急時に素早く現場へ急行するスピード感が持ち味だ。


「建物は生き物。自然災害など、必ず起こる突発的なトラブルへの対応には常に神経を使っています。幹部社員にも一人ひとりが『お客様係』として、オーナー様の生命線を守る意識を浸透させています」(伏木社長)
 今年3月には、全国ビルメンテナンス協会から「エコチューニング事業者」に認定された同社。高い技術力はもちろん、省エネ・環境負荷軽減によるコスト最適化への提案力が評価された。中小企業診断士の資格を持つ伏木社長は、持ち前の技術力を大事にしつつ、指定管理者やプロポーザルコンペに積極的に取り組む「提案型企業」へのシフトチェンジを推し進めている。
「当社のコアは技術ですが、ビルメンテナンスは『サービス業』。重要なパートナーである協力会社にも配慮し、提案力で信頼される会社を目指しています」
 と話す伏木社長。背景には、「ビルオーナーと『感動』と『リスク』を共有する」という理念がある。実際、自ら「リスク」を取る運営側となり、洞爺湖でレストラン部門を含むリゾート施設の運営なども担っている。

〝人づくり〟の使命感
グループ売上50億円へ

不動産にも力を入れる同社。飲食店や理美容業向けの居抜き物件専門紹介サイト「店舗そのままオークション札幌中央店」を運営するなど、北電力設備工事を含むグループ売上50億円という当面の目標に向け、着実に事業を広げている。
 また、自社の業務を「人づくり事業」と考える伏木社長は高齢者雇用と30~40代の即戦力、新卒を含む若手をバランス良く揃え、「一人でも多くの有能な人材を育てることが私たちの使命」と意気込みを語る。 
 
【会社データ】
本社=北海道札幌市中央区南4条西13―1―8 S413ビル2F
☎=011―512―7222
設立=1973年7月
資本金=1000万円
職員数=約220名
売上高=13億3545万円
事業内容=電気・機械設備保守管理・修繕工事、不動産賃貸・仲介、清掃、施設警備、駐車場管理など
http://www.kitaden73.co.jp

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