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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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松浦屋(シリーズNo.1478)

国内のモノづくりを支える老舗商社
企業価値を高め100年企業を目指す


人見 昌伸 社長

 メーカーからエンドユーザーへの直販が、どの業界でも存在感を増す中、付加価値を高めて更なる発展を目指す老舗商社が松浦屋株式会社だ。
 日東精工㈱のグループ企業であり、ネジなどの締結部品と、その関連産業機械等を扱う商社として83年の歴史を持つ同社を率いるのは、昨年4月に代表取締役に就任した人見昌伸社長
「創業家の方々が堅実で先を見た経営を行ってきたからこそ、今があります。それを発展させるため、お客様のニーズに応えつつ、様々な体制強化に努めています」

 57年に日東精工㈱の関東代理店第一号となって以降、本格的にネジ関連製品の取り扱いを開始し、顧客の信頼を積み重ねてきた同社。当初は問屋的な役割を果たしてきたが、その後直接販売を強化。北は北海道、南は神戸まで事業所を持ち、製造業の海外進出が進む中、現在では医療分野や、トラック輸送機器関連など国内生産にも力を入れる取引先をメーンとする。
「本当に良いお客様に恵まれました。その一方で、我々商社に求められるレベルも年々上がっています。商社が介在することの“付加価値”をいかに提供できるかがカギとなるでしょう」
 と語る人見社長。
 まず行ったのは徹底した品質管理だという。メーカーから仕入れた商品を売るだけでなく、自社でチェックを入れて品質不具合ゼロを目指した。
 必要なものを、必要な時に、必要な分だけ提供できるよう、顧客に在庫を預け、使った分だけ清算する仕組みも導入するなど、臨機応変な対応も好評だ。

若手の力で営業力強化
事業領域の拡大を図る

 日東精工㈱でネジ営業一筋に全国を飛び回ってきた人見社長は、同じグループ会社である和光㈱の代表取締役を4年間務めあげた後、同社に入社。
 各事業所が競い合いながら“個人商店化”していた部分にメスを入れ、テレビ会議なども導入し、情報の一元化に努めていった。
「社員の平均年齢も40代前半と若く、20代も活躍しています。今後さらに成長するために引き出しを増やして欲しいですね。当面、“ジャンプアップ90”と銘打ち、3カ年計画を実行します」
 と語る人見社長がこれから目指すのは、営業力強化と事業領域の拡大だ。
 新規取引先として、今後電気自動車業界などに参入する企業を想定し、軽量化したアルミ製の部品や樹脂製部品などの取り扱いも今後強化していきたい構えだ。
 また、香港の現地法人や海外各地域に拠点を持つ日東精工㈱グループのネットワークを生かし、輸出だけでなく海外産部品を目利きした上で、日本に安価に提供する仕組み作りも開始した。企業価値の向上を実現し、目指すのは100年企業だ。


【会社データ】
本社=東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビル929
☎=03-3494-2401
創業=1934年5月
資本金=3000万円
従業員数=48名
事業内容=ファスナー(締結部品)、産業用機械装置、表面処理装置の販売
http://matsuuraya.com

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