創業307年。中山道・桶川宿のよろず屋が発祥時代を経て、新しい仏事のスタイルを提案
季節の花と「ありがとう」の文字が描かれた線香と蝋燭「沢山の有りが灯香・ろうそく」や、火を灯すと桜葉エキスの香が漂う「櫻人シリーズ」など、現代の生活様式に沿った新しい感覚の仏具を提案し、亡き人や先祖を思う消費者の気持ちに応えているのが、創業の起源を江戸時代のよろず屋に持つ慶事・仏事用品店、株式会社丸叶むらた(村田太吾社長)だ。
1708年、中山道の宿場町・桶川宿によろず屋「丸叶」(まるかのう)として創業した同社は、環境変化に対応した柔軟な事業展開で生き延び、1950年には法人化と同時に日用雑貨の卸売業に転換。村田五郎現会長入社後、地域問屋として大手ホームセンターを中心に約500件の新規顧客を開拓するが、1981年、村田会長が9代目当主に就任する頃には地域問屋としての先行きを案じ、「地域の皆様の暮らしと共に」という姿勢に原点回帰。慶事・仏事用品を扱う小売業に転換し、併せて仏壇店・葬儀社への販売も強化していくことになる。 当初はメーカー商品の取扱いのみだったが、やがてオリジナル商品の企画・開発に着手。1998年、製造は本場・淡路島の協力線香メーカーに委託して、初の自社ブランドで発売した線香が「彩の香りラベンダー」だ。以来、沈香、白檀、桜の葉など、天然香料を使用したオリジナル商品を次々と開発。「川の流れのように」「凛楽」「無ZERO」など、ネーミングもユニークな商品が立ち並ぶ。 2004年に発売した「寳珠香」シリーズは、曹洞宗の大本山・総持寺の御用達となるなど、その馥郁たる香りは折り紙つきだ。同社では、OEM製品の企画・開発も行っている。10代目当主・村田太吾社長仏具業界に新しい風を起こす「昔ながらの線香や蝋燭は、『線香臭い』など、とかく現代の生活様式にそぐわないと敬遠されがちですが、時代は変わっても亡き人を弔い追慕する時、香を焚き灯明を灯すことで醸し出される安らぎの空間は失いたくないものです」 と話すのは、学卒後線香の老舗メーカー日本香堂で4年間勤務の後、同社に入社。8年後の2013年11月、10代目当主として代表に就任した村田太吾社長。 社長職に就いた今でも、仏壇店、葬儀社など旧来の体質が色濃く残る仏事業界の企業に日参して自社商品の普及に努める村田社長は、「新しい試みは、業界の理解を得るのに時間がかかりますが、消費者の目線に立った商品の提供で、線香、蝋燭など、仏事用品のイメージを変えていきたい。桶川駅前のマイン店では、500種類以上の線香を取り揃え、その芳しい香りに触れることができます」 と、抱負を語っている。 喪中ハガキが届いた返礼に、故人を偲ぶ思いを込めて線香や蝋燭を贈る美しい習慣が根付きつつある今、心に響く商品開発で仏事の風景を変える同社の頑張りに期待したい。
【会社データ】本社=埼玉県桶川市寿1-1-10
☎=048-771-1012設立=1950年9月資本金=1000万円社員数=25名事業内容=慶事・仏事用品の企画・開発・販売http://www.marukanou.co.jp
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