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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

大和製衡(シリーズNo.1407)

「スポーツと音楽で事業経営を芸術する」
世界で活躍する総合計量機器メーカー


川西勝三社長

「狙った獲物は外さない」を座右の銘に、革新的な経営で事業が急成長している大和製衡株式会社を導いてきた川西勝三社長。1920年創業、3年後には100周年を迎える同社の成功の「流儀」に迫った。
 同社は業務用体重計から、食品・薬品・自動車・航空機・製鉄・化学・窒業向など多岐にわたる産業界で工業用計量機器を製造する、世界唯一の計量機器メーカーである。
 同社のルーツである川西機械製作所は、ライト兄弟が動力飛行を成し遂げたわずか17年後、戦闘機「紫電改」など航空機の開発製造と計量機開発製造事業を目的として創業された。その後計量機事業が独立し現在の同社に。
 川西社長は50年前の入社当初から川西家家訓を叩き込まれ、その一つは「余計な事をするな。創業時の事業のみを、時代に応じた世界で類の無い革新技術で進化させろ!」。これを忠実に守り事業を成長させるのが川西社長の「流儀」である。
「現在の国際企業として急激な成長は、家訓を叩き込んでくれた二代目当主川西清司氏のおかげです」(川西社長)


メーカーとしての原点に立ち
顧客の利益革新を求めて

 数十年前、売上の90%以上を占めていた事業をあえて主力に据えない決定を下した川西社長。当時の中心事業は現在の液晶テレビ、アイフォン、電卓、デジタルカメラやデジタル時計のように電子回路とソフトが商品力となるものは、競争力期間が短く、また大量生産による低価格化が進み、事業が降下スパイラルに陥ると判断したためである。
 そして当時、数%の売上であった定量パック用計量機「データウェイ」を新たな時代に向けた主力事業と定めた。この計量機はメカ部分が90%以上を占めるため、革新技術により精度を高めることで、食品会社等の原材料費削減に貢献でき、ユーザーメリットが非常に高い。
 川西社長はその時代の主力事業が順調な時に次の主力事業の手を打つ。
「早めに手を打ってゆっくりと進む」ことが弱小企業でも時代を乗り切るための「流儀」だと話す。
 社長に就任した17年前、同社は経営危機に陥っていた。社員全員、不安でいっぱいの時に川西社長は「アハハッハ!大和はすぐ急成長するよ」と一見、カラ元気ともとれる発言をした。
 しかしその発言の通り重要政策を一つずつ積み上げ、社長就任後わずか5年で100億円近い借入金を3分の1以下にまで減少、現預金を2倍以上に。さらに当時売上数%だった事業は現在65%まで伸び、納入先を世界130カ国以上まで広げ、輸出比率も数%から55%と、まさに国際企業へ変貌させた。
 それでも「真の成長はこれからです」と語る川西社長。
「弱小企業から国際企業に発展させ、事業を発展・継続させるためには、経営者は松下幸之助や本田宗一郎のように『常に研究者の心を失わない経営者』にならなければなりません」
 現在も自宅を「工房川西」として毎晩、革新技術の研究開発に取り組んでいるという。これも川西社長の「流儀」である。主力事業の百数十件に及ぶパテントも社長自らの発案だというから驚きだ。
「『工房川西』で生まれた革新技術は、発明ではなく自分達の足元にある技術の発見でもあります」(川西社長)
 その技術とは、現在も製造販売され続けている、航空機や自動車の開発設計段階で使用される大型風洞天秤の六分力測定技術と、高速道路用ノンストップ型高速軸重計の振動解析技術などを指す。これらの技術が現在、食品・セメント等定量包装用計量機の能力精度を革新的に向上させ、ユーザーの原材料削減の大幅な改善に役立っている。
「『ニュートンの数式理論』を超えた技術理論です」と川西社長は語る。
 この技術は、今年5月にデュッセルドルフで開催される世界最大の国際包装産業展「インターパック2017」に次世代計量機として発表される。

狙った獲物は外さない
スポーツと音楽を経営に生かして

 川西社長のアグレッシブさは、事業経営からではなくアスリートとして培われたという。大学時代馬術で日本一を目指し、全日本学生選手権大会で優勝を果たした川西社長。社会人になって仕事に専念する為に馬術の世界からいったん身を引いたが、60歳の時、運命のドラマが訪れる。オリンピック選手と監督を長年務めあげ世界的な実力の持ち主である杉谷乗馬クラブの杉谷氏から「もう一度国体に挑戦してみなさい」と突然の電話が入ったのだ。それから13年の間、現在73歳まで川西社長は馬術に命をかけてきた。
 国体の本戦決勝に出場できるのは全国で12名、周囲は若いトッププロとオリンピック選手ばかり。「現在まで生涯国体出場は11回に及び、入賞は数あるものの最高順位は2位。取れないものは国体の優勝のみ」と、馬術のアスリートらしく「目標は最高峰」と闘志を燃やす川西社長。スポーツで得た「狙った獲物(目標)は外さない」という考え方が「流儀」として肉体に注入されたのだろうか。
 また、音楽活動にも熱心で、幼少期にクラシックピアノを始め、大学では音楽部でジャズサックスの世界に入り、現在もプロとのジャズライブに参加しているという。
 正しく「奇人変人」を歩んでいる川西社長。しかし「常に文化人たる国際的事業家」の「流儀」が「ザ川西」ともいえるだろう。
「人生最後の一瞬、一生を振り返って自分で自分を誉めてあげたい」と話す。「生涯を芸術する」ことも人生の「流儀」のようである。とっても可愛らしいパワフルな変人であるが、これぞ「世界での大和パワー」といえる。「頑張れ日本の物づくり!」

【会社データ】
本社=兵庫県明石市茶園場町5-22
☎️=078-918-5500
創業=1920年2月
資本金=4億9700万750円
従業員数=539名
事業内容=計量システム機器の製造・販売および修理
http://www.yamato-scale.co.jp

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