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会社の流儀BLOG

毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

大栄フーズ(シリーズNo.1563)

「美味創出」で日本食の未来を拓く
シーフーズ惣菜の世界的ブランド


岡 康人 社長
 

 高齢者世帯や単身世帯の増加、女性の社会進出などを背景に、10兆円規模にまで市場が拡大している惣菜マーケット(日本惣菜協会『2017年版惣菜白書』)。今やメジャー産業とも言える業界のパイオニアとして成長をリードしてきたのは、まさしくこの会社であろう。水産食品を使った惣菜メーカーとして世界規模のシェアを誇る大栄フーズ株式会社だ。
「ユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、今では世界中で高く評価される日本食ですが、40年前は誰もメジャーになるとは想像していませんでした。しかし、私はフレンチやイタリアンと同じく、アジアの『帝国料理』である日本食こそがメジャーになるべきだと考え、日本の食文化の魅力を世界に発信してきました」
 と話すのは、1973年に28歳という若さで同社を創業した岡康人社長。40年以上も前に世界進出した「大栄フーズ」ブランドは、今や日本よりも海外の方が高い知名度を誇るほどに成長し、近い将来に国内販売の売上を超える見通しだ。
 そんな同社の代表的商品として、後の躍進を決定づけたのが「中華くらげ」である。他社に先駆け、惣菜としての量産化に成功した「中華くらげ」は現在、国内トップクラスといえる約40㌫(自社調べ)のシェアを誇る。


 しかし、まだ「惣菜」が身近ではなかった当時、「くらげ」が食材であることを知らない消費者も多く、横浜の中華街では高級アイテムとして販売。日本中の誰もが気軽に「くらげ」を食べられる環境ではなかった。
「まだ馴染みの浅い『くらげ』を惣菜として提供するために考えついたのが中華風の味付け。東京のメジャーなスーパーをくまなく回り、食べ方を教えることから始めました」(岡社長)
 こうして、日本人が好むアレンジによって商品化された「中華くらげ」は、全国の催事場への出店で瞬く間に大ヒット。一店舗で一日300㌕という驚異的な販売量を連日記録したこともあったという。品質の高さも評価され、2008年には「モンドセレクション」の一般食品部門で金賞を受賞した。
 また、11年に「中華くらげ」と共に同賞のダブル受賞という快挙を成し遂げたのがトビウオの魚卵を塩漬けした「とびっ子」。約60㌫(自社調べ)のシェアを誇る国内だけでなく、海外でもヒットし続ける魚卵製品だ。

国際基準の衛生管理
原料確保・調達が強み

「中華くらげ」を筆頭に、「とびっ子」や「数の子昆布」といった寿司種、珍味やサラダ、練物など次々とオリジナル商品を開発し、世界各国の味覚に合わせた200種類以上のアイテムを揃える同社。原料の98㌫を海外から輸入し、ニッチな食材をより安く、新鮮な状態で確保できる独自の仕入れルートも強みである。
「利は元に在り。長く商売するためには良質な原料を確保することが重要です。限られた場所でしか獲れない原料を使う当社は、海外の仕入先と人脈・信頼関係を育みながら他社との違いを生んでいます」(岡社長)
 また、コンビニやスーパー、デパ地下などを介して私たちの食卓を彩る同社の商品は品質・衛生管理も万全。相模原工場と4年前に稼働を開始した千葉香取工場の2つの製造拠点の全てがHACCP認証を取得し、国際基準に基づいた衛生管理を実践しているのだ。
「魚介類加工業より衛生管理基準がワンランク厳しい、惣菜加工業のライセンスも取得しています。EUへの輸出ライセンスを取得したのも、おそらく当社が業界で初めてだと思います」
 と岡社長が話すように、EU諸国やアメリカ向けのHACCP認証(食品の製造・衛生管理手法)に加え、16年には、イスラム教の戒律に則って調理・製造されたことを証明する「ハラル認証」も取得。全世界への輸出に必要なライセンスを既に網羅しているのだ。

今こそオーナーの時代!
歴史に学び、時代を読む

 創業以来、「日本の食文化を世界へ」という強い志で常に惣菜業界をリードし、右肩上がりで成長してきた同社。しかし、岡社長は7年前、苦渋の決断を迫られることになる。東日本大震災による原発事故の影響を受け、23年間主力工場として稼働していた4000坪の東北工場(福島県)が立ち入り禁止になったのだ。
 やむなく東北工場で働いていた社員を解雇。岡社長は自身の年齢を考え、メイン工場の新設移転と会社再建を諦めかけていたという。
 しかし、「何事も諦めたら終わり」「継続は力なり」という自らジンクスとしていた言葉に突き動かされた岡社長は、会社の存続を決断した。横浜にレンタルで工場を立ち上げ、2年半後には東北工場の約2倍もの敷地面積を持つ千葉香取工場を異例の速さで竣工させた。
 その活力の源になったのが、創業以来貫く「歴史に学ぶ経営」だ。この千葉香取工場を建てた場所こそ、かつてソニーが「ウォークマン」を開発し、世界に羽ばたいた場所なのである。
「物事には必ず最初があり、井戸を掘った人がいる。歴史に習うことで時代が読めるのです。当時工場の周囲に植えられていた木は1本たりとも切っていません」
 と話す岡社長。混沌とする現代社会を生き抜くために経営者が持つべきものは「オーナー発想」だという。
「もはや『日本』というブランドだけでは食べていけない時代。オーナーが人生をかけて事業を興した場所はパワースポットであり、強運を呼び込むことができます。大手も中小も関係なく、今こそオーナーが底力を発揮するべき時代です」
 さらに、「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)」をはじめ、経済のボーダレス化を見据える岡社長は、地理的な環境が経済に影響をもたらす「地政学」も重要になると予見。イスラム教圏のマーケットにも注目するほか、ベトナムからの技能実習生を積極的に採用するなど、人材確保のグローバル化も既に進めている。
 インターネットが登場する遥か前から全ての工場をテレビで繋いで会議や社員教育に活用するなど、常に斬新な発想と「直ぐやる、今やる、出来るまでやる」というモットーで不可能を可能にしてきた同社。岡社長は、鶏肉と水産物を中華味で融合させる新たな惣菜など、コラボレーションも含めた業界を超える取り組みにも関心を示している。
 また、新卒採用も30年来継続し、次代を担う人材育成にも注力。13年前に市から優良事業所の表彰を受けた相模原本社をはじめ、同社は各工場で新しいパワーの加入を待っている。 

【会社データ】
本社=神奈川県相模原市南区相武台2―5―30
☎=046―266―2200
設立=1973年2月
資本金=5000万円
社員数=190名
売上高=40億円
事業内容=シーフード惣菜の製造・販売
http://www.daieifoods.co.jp

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