データセンター・コンサルティングで独自色「液浸冷却」で省エネ・省スペースの起爆剤に
杉浦 日出夫 社長
AIやディープラーニング等の進化で、扱うデータ量は今後ますます膨れ上がるばかり。そこで問題となるのは、大量のコンピュータ機器からの膨大な発熱をどう制御するかだ。大型コンピュータ機器が林立する広大なデータセンターでは、機器類が消費する電力と同等のエネルギーを、機器を冷却するための空調に費やしているという。新設が待った無しのデータセンターでは、省エネ・省スペースの施策が喫緊の課題として求められている。 そんな中、機器を直接液体タンクに沈め、発熱を奪う「液浸冷却」という目からウロコの新技術を提案しているのが、2006年8月の設立以来、日本でも数少ないデータセンター・コンサルティング企業として独自の道を歩む株式会社RSIの杉浦日出夫社長だ。 同社は、大量のデータを扱う外資系金融・証券会社等を対象に、データセンターの選定・構築・設計・運用に関するコンサルティング業務を展開。日本の工事会社との間に立ち、建築・設備・ITなど様々な分野の専門的要素が複雑に絡み合う難易度の高い数々のプロジェクトを、持ち前の調整力とバイリンガル対応で成功に導いてきた。今年より、自ら通信設備の建設業許可も取得、自社で施工も行える体制を整えた。
さて、新技術の「液浸冷却」とは、従来の空冷方式とは全く異なり、冷媒としてフッ素系不活性液体「フロリナート(TM)」や油液「スペクトラシン8」を使用し、発熱するコンピュータチップを直接冷却するもの。液浸技術を導入することで、空調用電力は80㌫削減でき、データセンターの敷地面積も大幅に縮減できる、省エネ・省スペースの切り札とも言える技術だ。 欧米では空調費節約のため寒冷地に設置されることの多いデータセンターだが、日本では首都圏に集中、効率の良い運用に苦戦している。液浸冷却を活用した省エネ方法は東京工業大学のスーパーコンピュータで採用されているという。 ただ、前例が乏しいと新技術の導入が進まない日本企業の現状を鑑みて同社では、近日中に自社でデータセンターを所有し、「液浸冷却」のモデルケースとして公開を予定している。「国土の狭い日本では、AI技術の爆発的普及に備えて、データセンターの省エネ・省スペース化は必要不可欠です。当社が『液浸冷却』普及の起爆剤の役割を果たせれば本望です」 と、杉浦社長は「液浸冷却」に賭ける意欲を語る。社名に込めた思いは「ライジング・サン」 カナダへの留学から帰国後、通信設備工事会社に勤務した杉浦社長は、外資系金融・証券会社のデータセンター構築に携わった経験を買われて00年にモルガン・スタンレー証券に移籍。データセンター構築業務を深掘りする中、独立を決意。06年に設立した会社の社名・RSIは、名前の「日出夫」から取った「ライジング・サン」の頭文字に決めた。昨年にはカナダ・マギル大学のMBAを取得した杉浦社長。まさに日の出の勢いの同社の今後の活躍に期待したい。 【会社データ】本社=東京都千代田区九段北3ー2ー6 リード東京ビル☎=03ー6388ー9433設立=2006年8月資本金=700万円事業内容=データセンター・コンサルティング業務http://www.rsi-kk.com
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