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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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カワサキ機工 (シリーズNo.1573)

「お茶」とともに歩んで創業113年
製茶産業の未来を牽引するサポート企業


川﨑 洋助 社長

 静岡県掛川市と言えば、誰もが知るお茶の中心的産地。全国のお茶が集まる掛川市に本部・工場を構えるカワサキ機工株式会社は、1905年の創業以来、「製品を通じて顧客の利益を図る」を第一の社是として、製茶機械や茶園管理機などの提供で、日本の茶業発展を陰で支えてきたサポート企業だ。
 日本茶と言えば、一世帯当たり購入量こそ減少傾向にあるが、ペットボトル入りのお茶を買う習慣が定着したり、抹茶アイスや抹茶味の洋菓子が人気を博したり、お洒落なカフェで美味しく淹れた日本茶が高級メニューとして供されるなど、お茶の消費の仕方は変わっても日本茶を求める声には根強いものがある。
 一方、欧米諸国やアジア圏でも、健康志向の高まりからGreenTeaの魅力が再評価され、緑茶ブームが起きている。実際に2017年の日本茶輸出額は143億円となり、5年間に2倍以上の伸びを見せているのだ。


 そんな中同社は、17年12月、経済産業省が主管する「地域未来牽引企業」に選定された。これは、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済的波及効果を及ぼすことで、地域経済を力強く牽引する事業をさらに積極的に展開することを期待された選定。同社が創業113年の歴史を踏まえてなお、持ち前のチャレンジ精神を発揮して、日本の茶業発展のための新たな取り組みを展開していることが評価されたものと言える。

製茶機械から茶園管理機へ
産官学連携の技術開発も

 1905年、川﨑工場として創業した同社は、当時手揉みで行っていた製茶作業を自動化する製茶機械を研究試作。八木家より特許を譲り受けて八木式粗揉機製造販売を開始したのが、同社技術革新のDNAの始まりだ。
 以来、煎茶分野を中心に蒸機、小手精揉機、自動乾燥機、生葉自動コンテナなどの荒茶加工設備の開発や、さらなる自動化・大型化に取り組み、製茶業界の生産性向上に寄与してきた。
 その間、1969年には中小企業合理化モデル工場に指定されたり、1983年には連続自動機械開発の功績で科学技術庁長官賞を受賞するなど、数々の誇らしい表彰も受けている。
 技術革新のDNAは製茶機械に留まらず、茶園管理機の開発にも及ぶ。2000年には乗用型摘採機KJシリーズを、01年には乗用型中刈機KJPを、さらに02年には乗用型防除機KJSを相次いで開発するなど、人手不足に悩む茶園の合理化・自動化にも大きく貢献している。
 さらに近年では、製茶機械で培った蒸気・乾燥のノウハウを生かして乾燥食材用の高圧蒸気殺菌機や各種乾燥機を開発、一般食品分野に進出するなど、その開発意欲は留まるところを知らない。
 製茶作業が機械化されて110余年。常にお茶と正面から向き合ってきた同社は、産官学連携による新たな技術の研究開発や創出にも取り組んでいる。
 国立研究開発行政法人・農研機構との連携では、乗用型茶摘採機に装着するアタッチメントで、茶直掛け栽培用被覆資材の被覆・除去装置を開発。これまで手作業で行われていた被覆・除去作業の機械化で大幅な省力化が期待されている。
 また、宮崎県総合農業試験場との連携では、烏龍茶生産の省力化と安定化を実現するドラム式萎凋機を、静岡県農林技術研究所との連携では、大規模なレタス栽培体系を踏まえたレタス運搬機を開発するなど、その活動領域は実に幅広い。
 さらに、茶の生産現場から流通現場まで幅広く活用することが出来る茶成分分析計は、国内シェア100㌫のデファクトスタンダード。JICA事業である、スリランカでの紅茶生産品質管理体制実現のためにこの装置が導入され、紅茶に誇りを持つ現地人にも高く評価されている。

伝統を受け継ぎ、新体制で
茶業の明るい未来を拓く

 昨年10月31日、同社代表に就任した川﨑洋助社長は、愛知大学経営学部を卒業後同社の関連会社である金谷のお茶問屋・㈱川崎園に入社。お茶の「いろは」を学んだ後、2005年に同社に入社。製造部門、営業部門などを経験し、茶葉の生産から製茶、流通まで茶業全般を俯瞰する目を養って、前社長からバトンを引き継いだ、今年43歳の若き経営者だ。
「近年、緑茶を始めお茶全体に対する関心が世界中で高まっています。品種や発酵の度合い、加工方法、淹れ方など、その組み合わせの数だけ個性があるお茶は、大きな可能性を秘めた非常に魅力的な嗜好品なのです。先人が築いた製茶理論と先進的な知識・技術を融合させ、今後も世界中の人々が安心して飲めるお茶を生産できる設備・機械を提供し続けていきたい」
 と、川﨑社長はお茶の持つ将来性に目を輝かせる。
 現に、抹茶・パウダーティーへのニーズは、米国の例を引くまでもなく各食品業界でも増大しており、同社ではその需要拡大に応えるために、高能率型碾茶ラインを開発。新碾茶炉開発で、省エネと飛躍的な能率アップを実現した。
 また、これまで紅茶製造に使用してきたCTCを緑茶製造に応用、CTC緑茶ラインを開発するとともに、さらに高能率新碾茶ラインと組み合わせた「ハイブリッドライン」も開発。相次ぐ新製茶法への挑戦で、緑茶、抹茶、紅茶、烏龍茶等、種類豊富な製茶を可能にするラインを整えている。
 お茶問屋の㈱川崎園のほか、九州地区のアフターサービスを担当するカワサキテクノ㈱中国向け茶刈機茶園管理機を生産する浙江川崎茶業機械有限公司などグループ4社を形成する同社は、未来を拓く若い力の参加も歓迎している。
「既成概念にとらわれず、自分の意見をはっきり言える人材。チャレンジ精神にあふれ、失敗を恐れない人材に来て欲しい。海外への展開も含め、新しい技術の開発と丁寧なコンサルティングで、茶業の明るい未来を切り拓いていきたい」
 と、川崎社長は明日への意欲を語っている。
     
【会社データ】
本部・掛川工場=静岡県掛川市伊達方滑川810―1
☎=0537―27―1725
本社=静岡県島田市金谷栄町347―8
創業=1905年
設立=1952年9月
資本金=1億円
従業員数=262名
売上高=62億円
事業内容=製茶機械・茶園管理機全般の開発・製造・販売、食品殺菌装置販売
http://www.kawasaki-kiko.co.jp

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