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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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セントラルシステムズ(No.1289)

若手技術者の育成と女性の活用に注力
苦境を生き抜き人の力を育てるIT企業

大西 寿郎 社長
 
 新卒社員の3年以内離職率は卒社員の3年以内離職率は、ここ20年30%前後で推移している(厚生労働省調べ)。中小企業に限れば、その比率はさらに高い。特にIT業界においては長時間労働のイメージが先行し、技術者の獲得に各社頭を悩ませている。

 そんな中、きめ細かな人材教育はもちろん、若手エンジニアの〝発掘に力を注いでいるのが株式会社セントラルシステムズだ。
「システム開発において重要なのは人の力です。人材不足に対しても、様々な取り組みを行ってきました」


 と、語るのは同社の大西寿郎社長。30年以上も業界を生き抜くその秘訣は、同社の歴史の中にあった。
 今も取引が続く日立系列企業に勧められ、大西社長が同社を創業したのが1983年。当初は人材の定着に悩むも、バブル景気の波に乗り60名まで規模を拡大する。
 しかし、バブル崩壊とともに仕事が激減。常駐先から毎日のように社員が戻され、退職も相次いだ。会社存亡の危機に立たされる中、「今が踏ん張り時」と起死回生を図る施策を講じる。
 98年からは第1期、2003年からは第2期の5カ年計画を打ち出し、それぞれ規模拡大・利益率向上を掲げ、敢行。そんな中、再び逆風が同社を襲う。リーマンショックだ。営業担当者からはリストラを懸念されるほど、仕事に困窮した。
「しかし、もう辛い思いはしたくなかった。『リストラをするくらいなら、会社を解散する』と宣言しました」
 と、語る大西社長の思いは今も変わらない。粉骨砕身の営業努力が実を結び、13年には売上10億円を突破。現在100名超の社員を擁し、成長を続けている。

IT企業と大学の懸け橋
〝忘己利他〞で達成感を

 ある時大西社長は新卒採用において、「送り出す大学」「受け入れる企業」、そして「学生の思い」が噛み合っていない実態に気づく。
 そこで、自身が所属する(一社)神奈川県情報サービス産業協会で産学連携委員会を発足。IT企業で実際に働くエンジニアが講師となり、大学で実情を教える「SE講座」を開講した。1校からスタートしたこの授業も、現在では15校で行うほどの人気を博している。
 インターンの受け入れも早くから行っており、専任の社員が付きっきりで、実際のシステム開発を教えるという力の入れようだ。入社以降も外部機関と社内OJTで合計半年の研修期間を設け、新入社員も即戦力に引き上げる教育を行う。
 また、優秀な女性社員の離職を防ぐため、短時間勤務や在宅勤務などを早くから取り入れ、子育てしやすい企業を表彰する「よこはまグッドバランス賞」にも認定された。
「わが社の理念は〝忘己利他。自分で苦労して作ったシステムが、お客様のところで役に立ち、喜ばれる。そんな所に何よりの達成感を感じてもらえると思います」(大西社長) 

【会社データ】
本社=神奈川県横浜市中区住吉町6―68―1 横浜関内地所ビル4F
☎=045―211―0761
設立=1983年4月

資本金=4200万円
従業員数=148名
事業内容=ソフトウェア受託開発、コンサルティング、システム運用
http://www.cscweb.co.jp

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