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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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大久保恒産(シリーズNo.1293)

「建設業界で一番人が育つ会社」を目指す!
多角的事業のシナジー効果で成長する足場工事会社

大久保 和男 社長

 横浜市青葉区の閑静な住宅街の一角に、ひと際目を引くスタイリッシュな建物がある。建設足場施工業を営む株式会社大久保恒産の新社屋だ。白と木目を基調とした洗練された空間で、「3K」とも言われる建設業界のイメージとは佇まいを異にする。
 今年3月にこの新社屋を開設した大久保和男社長「必ず活かせるものがある」という信念で新事業やM&Aなど積極的な先行投資を行ってきた。現在、足場部材の販売・レンタルや部材研磨工場、外国人技能実習生派遣、不動産業といった足場工事に関連付く総合的な事業体を形成し、各事業のシナジー効果で年商30億円の企業に成長している。


 創業から48年を経た同社は、横浜エリアを中心に戸建住宅から大型施設まで多様な現場の建築足場施工を担い、番頭・職人の幅広い対応力と高い技術力が確かな評価を受けている。目指しているのは、「建設業界で一番人が育つ会社」である。
 新社屋もその一環。社員のモチベーションアップと若い人材の確保に奏功している。社屋を見て「是非ここで働きたい」という入社希望者が複数訪れたという。
 昨年からインターンシップを導入し、作業体験や面談を通じて学生と身近に触れ合い相互理解を深め、昨年10名、今年8名を採用。実践的な研修プログラムを構築し、若き職人たちを戦力へと成長させる。
 また、同社には「挨拶をする」「時間を守る」「約束を守る」の3原則が確実に浸透している。感謝の気持ちと誠実な仕事ぶりが、クライアントとの信頼関係を醸成させているのだ。
「挨拶は心の底から気持ちを込めて、深々と頭を下げ〝ありがとうございますと言う。そうした気持ちは必ず相手に伝わり、振り子のように反動となって返ってきます」(大久保社長)

さらなる事業規模拡大へ
強い気持ちと感謝の心を

 1942年に新潟県長岡市で生まれた大久保社長は、戦争で父親を亡くし、幼少期から幾多の苦労を経験して育った。1968年に独立起業を果たし、社業を発展させてきた背景には並々ならぬ努力と勉学があった。貸本屋の本を全て読破したほどの読書家だ。
「若い頃に苦労をしたから今の私がある。『乱において平時を忘れず、平時にあって乱を忘れず』を念頭に置き、〝絶対にやるんだという圧倒的に強い気持ちが必要です」(大久保社長)
 一昨年には、地域に根付いた企業活動が評価され、横浜型地域貢献企業の認定を受けた同社。「横浜アリーナ」を貸し切り、盛大に行われた創業45周年の記念式典には取引先や社員とその家族など総勢1200人が集まり、大久保社長が永年の感謝の気持ちを表した。
 高い志と人や地域との絆を大切にする大久保社長のもと、同社は足場工事での実力と多角的な事業体制、社員教育をさらに強化し、年商50億円を目指す。 

【会社データ】
本社=神奈川県横浜市青葉区鴨志田町813―4
☎=045―962―9119
創業=1968年5月

資本金=3000万円
従業員数=211名
事業内容=建設足場施工業、足場部材のレンタルなど
http://www.okubokosan.co.jp

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