顔と体の毛に「ミクロゲン・パスタ」創業81年の老舗製薬会社 中島 研一朗社長
製品名を聞いて、懐かしく思う方も多いのではないだろうか。「ミクロゲン・パスタ」は、60年以上前から発売している眉毛やひげなど体毛用の発毛促進育毛剤。頭髪以外の体毛のあらゆる悩みにロングセラー製品として応えてきた。 そんな同製品とともに歩んできたのが啓芳堂製薬株式会社だ。森鴎外や江戸川乱歩ゆかりの地でもある東京都文京区千駄木にて、創業から81年目を迎える。
創業者の中島三郎氏が1935年に講談社から独立して現在の前身の啓芳堂を開業。頭髪用育毛剤「ミクロゲン」などを販売した。 まつ毛をカールさせるアイラッシュカーラー、通称ビューラー。世界中で使われているこの製品を、戦前の日本で初めて販売したのも同社だ。1929年に実用新案、1936年に「ビウラ」と登録商標を取得し戦前に大ヒットした。しかし終戦の年に空襲ですべてを焼失。焼け残ったビウラを商権ともに化粧品会社に売却し、1953年にミクロゲン・パスタで現在の製薬会社として再スタートを切った。「眉毛のおしゃれに」と若い女性をターゲットに、講談社での実務経験を生かし雑誌・新聞広告、テレビCM黎明期には生コマーシャルを打つなどして同社製品を広く世に知らしめた。困難を乗り越え新たなる一歩を目指して さる7年前、同製品が薬事法の改正により第一類医薬品に指定され、薬剤師在籍の薬局での対面販売のみに。加えて主要原料がメーカーの都合による生産中止で入手不可となり、さらに先代社長の闘病、従業員の高齢化に伴う人員不足も重なり、生産面でも困難が同社を襲った。この渦中で就任したのが中島研一朗社長だ。「一度は廃業することも覚悟しましたが、祖父、父と二代にわたって守ってきた会社をなくしてはいけないと思いました」 海外で新たな原料ソースを開拓し、薬剤師をはじめとする優秀なスタッフを確保、生産面の危機は脱した。地道に営業活動をする中で、「太眉」ブームが到来。認知度の低い若い女性をターゲットに、効果の確かな医薬品として再評価され、徐々に販路を拡大。「応援してくれた周囲の皆様のおかげです」と中島社長は言う。 2014年には、創業80周年を記念して「ビウラ」の復刻版を販売するなど、新たな取り組みにも積極的な同社。若い女性の太眉にとどまらず、若い男性のひげ、中国や韓国でも体毛に悩みを持つ人は多く、インバウンド需要も取り込む姿勢を見せる。 そんな同社には通信販売を行っていた発売当時の体毛に悩む顧客からの、感謝を伝える手紙が数多く残っている。「美容のみならず、切実に悩んでいる方の役に立つ医薬品・製品でありたい。新しいことに取り組みながらも家業として思いを引き継いでいければ」と話す中島社長。昔懐かしいだけではなく、時代に沿って製品を提供するきらりと光る存在として100年企業を目指していく。 【会社データ】本社=東京都文京区千駄木1―22―3☎=03―3821―0085
資本金=1000万円事業内容=一般用医薬品、医薬部外品の製造http://www.keihoudou.co.jp
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