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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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ピー・エス・コンクリート(シリーズNo.1454)

グループ一丸となり日本のインフラを支える
業界をリードするコンクリート製品メーカー

 
山村 幸三 社長

 日本の交通インフラを支える橋梁や高速道路。耐久性や強度が重要なこれらの構造物に用いられるのが“プレストレストコンクリート(以下PC)”だ。

「一般の方々には馴染みの薄い言葉かもしれません。しかし、日本の大動脈を支える役割を果たしています。日本のコンクリートの橋の約2割に我が社の製品が使われているんです」
 と、語るのはピー・エス・コンクリート株式会社山村幸三社長

 同社はPCを用いた工事をメインに行う㈱ピーエス三菱の工場製造部門として、2007年に分社化し、今年で10周年を迎える。現在国内に5つの工場を持ち、高品質なコンクリート製品を全国各地に提供している。
 PCは引張力に弱いコンクリートの性質を補うため、PC鋼材をあらかじめ引っ張った状態にしてコンクリートを流し込み、凝固後はPC鋼材が縮もうとする力が作用し、強い構造となる技術だ。1952年に、㈱ピーエス三菱の前身企業がフランスから日本に初めて取り入れ、現在では港や住宅施設、新幹線等のレール下の基礎にも用いられている。
「公共の仕事がほとんどで、現在では新しい橋梁の建設より、既存施設のメンテナンスが多いですね。今後は、高速道路など通行を止めることが出来ない状況下で、メンテナンス工事を進める需要が増えるでしょう。グループ企業や地元の建設会社と協力しながら、安全かつ迅速な建設を日々検討しています」
 と語る山村社長は、元々㈱ピーエス三菱で東京支店の副支店長を務めていた。2013年に副社長として入社し、従業員一人ひとりと向き合ってきた。“技術面にも明るく、工場のことも理解している”代表者として、従業員からも慕われている。代表取締役就任以降も、経営的に厳しい時代が続いていたが、昨年から利益率も向上。社員のことを一番に考え、処遇改善の実施を検討中だという。
 慢性的な人手不足に悩まされている工事現場では、あらかじめ工場で部材を製造する、プレキャストコンクリートの需要が拡大中だ。

日本の大動脈を支える
人材の育成が急務

「現在は単価が高いため、現場でコンクリートを打つ場合が多いのですが、今後更なる人手不足や、品質向上の面からプレキャストコンクリートが主流になっていくでしょう。弊社でも需要を見越して、人財の育成を急いでいます」(山村社長)
 同社の製品は一つとして同じもののない完全受注生産がほとんど。次の世代を担う技術者、管理者の確保と育成が急務と語る中、インドネシア、ベトナムなどの海外からの人財も同社の工場内で働いている。
「若いスタッフにも社会的意義の高い仕事という誇りを持って頑張って欲しいですね。これからもグループ一丸となって、取り組んでいきます」(山村社長)

【会社データ】
本社=東京都千代田区九段北1-9-16 九段KAビル4階
☎=03-6385-9025
設立=2007年10月
資本金=9000万円
従業員数=101名
事業内容=コンクリート製品の製造販売、製造用具・付属資材部品の製作販売
http://www.psc.co.jp


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