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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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岩瀬運輸機工(シリーズNo.1451)

積み重ねた独自技術で高い評価
日本一の重量物運送・設置企業を目指す



 武藤 浩之 社長

「半導体・液晶装置をメーンに、医療器具やフライトシミュレーターなど様々な重量物の輸送から、組み立て、据え付け工事を行っています」
 と語るのは株式会社岩瀬運輸機工武藤浩之社長
 創業より47年、培った技術力が評価され、取引先からの信頼も厚い同社は、創業者である先代が、2tトラック1台から始めた独立系企業。そこで出会ったのが、株主でもある㈱SCREENホールディングスだ。

 仕事の依頼を受けたが、当時は精密機械輸送の経験は皆無。初めは断ったが、その後も度々依頼を受け、ついに受注することに。
「創業当時から挨拶と清掃を徹底し、評価を貰っていたそうです。その精神を受け継ぎ、今も清掃・挨拶は欠かしません」(武藤社長)
 その後徐々に技術を身につけ、今のコア技術の下地になっているという。
 事実、都内で重量物・精密機械の輸送は困難で、狭い窓から重い精密機械をパーツごとに搬入し、中で組み立てるなどの作業は、知識と熟練の技術が必須だ。
 輸送するトラックも、温度・湿度・振動を徹底管理。総輪エアサスペンションの大型トラックを導入して対応している。
 現在、顧客の8割が上場大手企業で高い評価を得ている同社。その殆どが、口コミや紹介で増えたというから、実力は折り紙付きだ。
 そんな同社を現在率いる武藤社長は先代の甥にあたる。初めはアルバイトで運送部門の一員として働いていたが、正社員として入社後は㈱SCREENの技術部隊に配属された。
「お客様先での機械の調整や、設置後の説明を担当しました。大手企業のお客様と共に動いていたため、仕事の進め方、人との折衝のコツなど学ぶものが多くありました」(武藤社長)
 その後、管理部へと配属となるが、当時は社内システムも整備されていない状況から、自分たちでデータベースを組み、ISO9001を取得するまでになる。
 2008年からのリーマンショックでは月の売り上げが半減する期間が半年近く続いたが、顧客からも支えられながら苦境を乗り越えたという。

設置技術者の卵を募集
技術生かせる他分野に意欲

 順調に成長を続ける同社は、共に技術を支えていく人材を募集中だ。
「責任者クラスになるには10年程度掛かりますが、OJTでしっかりと教育をするので、他では得ることの難しい、一生ものの専門技術を得ることができます」
 と語る武藤社長は、更なる事業拡大の未来を探る。
 技術は大手同業者にも負けない自負を持つ同社。現在は半導体装置向け事業が売り上の約7割を占めるが、今後は医療・航空などの比率も伸ばす構え。その他でも技術を生かせる仕事があれば、と重量物輸送の相談は分野を問わず歓迎している。重量物輸送の専門企業として、目指すは「名実共」の日本一だ。


【会社データ】
本社=東京都江戸川区臨海町4-2-1
☎=03-3878-3311
設立=1970年7月
資本金=5500万円
従業員数=84名
事業内容=半導体・液晶製造装置・印刷機等の重量機械輸送、据付工事
http://www.iwase-group.co.jp

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