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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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ATENジャパン(シリーズNo.1452)

KVMスイッチのリーディングプロバイダー
“つながる”の進化は4K映像の世界へ――

 
 
鄧 鴻群 社長
 
 年に一度、国内外から最先端のICT技術が集結するネットワークコンピューティングの一大イベント「Interop TOKYO」。今年も6月7日から3日間開催され、300社近くがエントリーする「Best Show Award」のガジェット(装置)部門でグランプリを受賞したのが、ATENジャパン株式会社のラップトップUSBコンソールアダプター「CV211」だ。

「会社の大小ではなく、市場を読む先見性や性能パフォーマンス・コスト性などが高く評価されました。『CV211』は接続するだけでノートパソコンがUSBコンソール(制御装置)になる小型で便利な製品です」
 と話す鄧鴻群社長。日本の世界的電機メーカーや台湾トップクラスの精密機械メーカーなどを経て同社に入社、今年1月に着任した。

 コンソールを常設できないキオスク端末やATMなどにメンテナンスが必要になった際の作業効率を飛躍的に高める「CV211」は、双方向でのファイル転送をはじめ、ビデオ録画やスクリーンショットによるリモート操作の記録保存など多彩な機能を搭載。トレーニングやトラブルシューティングに活用できるほか、ケーブルをまとめるクリップが一体化している点もエンジニアにとって有り難い。
 さらに、同じくガジェット部門で審査員特別賞を受賞したのが、同社のコア技術を具現化したモジュール式マトリックススイッチャー「VM3200」だ。マトリックス上の32画面で画像の出入力を自在に行うことができ、様々なインターフェースに対応。デジタルサイネージや会議システム、放送用など幅広いジャンルでの実用が期待されている。

3年で売上倍増を
新拠点も順次開設

 この2製品が証明するように、同社の真骨頂は「接続」の比類なき技術力にある。いまやKVM(キーボード・ビデオ・マウス)製品のトップブランドとして市場に君臨する「ATEN」は台湾で1979年に誕生し、「シンプルでよりよい接続性」をモットーに世界13拠点で事業を展開。日本における製品供給とサポートの拠点として、2004年に設立したのが同社である。
 海外から見ればクローズな印象もある日本のIT市場で苦戦を強いられる外資系企業も多い中、同社は日本市場のニーズを掴んで着実に成長し、市場変化にも適応出来る堅固な収益基盤を構築。7月上旬にはショールームやセミナー会場としても活用できる神田支社を開設し、8月には大阪にも新拠点を構える予定だ。
「日本には、保守サービスなどニッチなところに潜在している魅力的な市場があります。2020年に向けて4Kに対応する映像関連製品の開発を強化し、売上を現在の3倍に伸ばすことが当社の基本計画です」
 と、今後の意気込みを語る鄧社長。グローバルに活躍したい営業マンと技術者の採用にも力を入れており、さらに“つながる”を進化させていく。

【会社データ】
本社=東京都荒川区南千住3-8-4 ATENビル
☎=03-5615-5810
設立=2004年2月
資本金=8000万円
社員数=32名
売上高=11億2000万円
事業内容=コンピューター関連用品・機器及び周辺機器の輸出入販売
http://www.aten.com/jp/ja


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