ライフスタイルに即した供養のかたちを提案ベンチャー精神あふれる100年企業 中本 泰輔 社長
「代々受け継いでいくお墓は、すでに現代のライフスタイルに合わなくなってきている」 こう切り出すのは、首都圏を中心に墓石・仏壇の販売を行う株式会社松戸家の中本泰輔社長だ。 転居・転勤は当たり前、活躍の場が海外にまで及ぶ人も多い現代の日本において、承継を前提とする旧来型のお墓は消費者にとって負担を増している。このライフスタイルの変化に対応すべく、同社が昨年の9月に発売したのがガーデニング型樹木葬「フラワージュ」だ。樹木葬といえば都立小平霊園が有名だが、これに対抗すべく、とにかく〝個別〞であることにこだわって商品設計がなされている。
「多くの樹木葬で採用されている、遺骨を布袋に移して他人と積み重なるように埋葬する方法をとりたくなかった。お墓参りをする方の気持ちを考えれば、きちんと遺骨を骨壷に納めて個別に供養するべきです」 と中本社長が語るとおり、「フラワージュ」は職人が一本一本手作りで仕上げる琉球ガラス製骨壷「ククルチア」に故人の名前や戒名を彫刻して個別に埋葬するのが最大の特徴だ。専属ガーデナーが毎日花の手入れを行い、いつでも季節の花が楽しめるのも魅力。女性を中心に人気を博し、わずか3カ月で90件を売り上げるヒット商品となった。大胆な意識改革がイノベーションの原動力! 2011年に前職の第一生命を退職し、家業に戻った中本社長。3年前、父である先代の急逝を受け29歳の若さで4代目社長に就任した。中本社長いわく、フラワージュ成功の裏には、社員の意識の変化があったという。以前はオーナー企業にありがちな、強力なトップダウン体制だった同社。しかし、これは言い換えれば、社長の仕事を社員が代行するだけの関係だ。「人生において仕事をしている時間は約40万時間。この時間が充実したものであるかどうかが、その人の人生においてとても重要」 こう考える中本社長は、就任以来「指示を待つのでなく、自ら考え企画し、それを実行する」ことを社員に求めてきたという。自ら企画をした商品がお客様に受け入れられることを通じ、仕事にやりがいを感じてもらいたいとの想いからだ。 この意識改革は、仕事へのやりがいと同時に、イノベーションに必要な自由な発想と、それを実現するためのスピード感をもたらした。事実、フラワージュはわずか3カ月という早さで着想から発売に至った。 現在は「樹木葬」「自宅供養」「公営霊園」の3つのプロジェクトチーム(PT)に分かれ、それぞれのPTが商品企画から販促、販売までを担当している。「すべてのチームが各分野でイノベーションを起こしてほしい」(中本社長) 2年後には創業100周年を迎える同社。伝統を重んじつつも、自由かつ柔軟な発想とベンチャー精神で、石材業界の新たな未来を切り開いていく。【会社データ】本社=東京都小平市美園町1―4―6☎=042―341―0117設立=1918年資本金=1000万円事業内容=霊園案内、墓石・仏具の販売http://www.mazdoya.co.jp
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