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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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第一石鹸 株式会社(第89回)

暮らしと環境の「キレイ」を考えて63年
総合商社系の日用品洗剤メーカー

福井 泉社長

 〝除菌・抗菌作用
〞や〝時短機能をうたった高機能の日用品洗剤が低価格を競い合う市場の中で、1953年の創業から高収益体質を維持し、年商89億円突破を達成した老舗企業がある。
「暮らしと環境のキレイを考える」をモットーに、63年もの歴史を誇る第一石鹸株式会社は、豊田通商グループの一翼を担う一般家庭用石鹸洗剤メーカーだ。


 同社では、大型の小売店やドラッグストアのPB(プライベートブランド)商品の受託製造、自社ブランド製品の開発、そして大手洗剤メーカーやファブレスメーカーを対象とする商品のOEM供給という3本柱を軸に事業を展開。近年では自社ブランド製品の強化を図り、長年培った洗浄技術をベースに、衣料・台所・住居・ビューティーケア製品など多様な商品群を提供している。
 主力製品は「FUNS」シリーズのフレグランス調柔軟剤。衣料用香りミストとセットで使用することで、上質かつ優雅な香りを長く楽しめるという商品コンセプトだ。
「中国でのeコマースビジネスや、東南アジアにおける現地パートナーとの共同開発など、日本に留まらず世界に第一石鹸ユーザーを増やすため、親会社の豊田通商と協業で海外展開も行っています」
 と、語るのは福井泉社長。慶應義塾大学商学部を卒業後、総合商社のトーメンに入社。有機化学品分野に従事し、合併による豊田通商への移籍を経て、2014年に同社代表に就任した。
 異業種経験者が多数在籍し、企業のベクトルが一致していないことを痛感した福井社長は、常に消費者目線で物事を考えるべく〝お客様第一主義の方針を打ち出すとともに、自由闊達に意見交換が図れるよう、風通しの良い社内風土の醸成に注力。
 本社工場と九州工場の合同研修旅行を実施して親交を深める場を設けるだけでなく、待遇や給与面など、社員の要望に最大限応えることで社内のコンプライアンスも構築。社内環境の透明化に成功した。
 現在、同社では香粧品分野での拡大を図るべく、少数精鋭の化粧品開発プロジェクトチームを発足。女性社員の意見がパッケージや商品の使用感など細部に反映された「PUREFEEL」ブランドを推進している。
 同製品はリンゴ幹細胞エキスとベビーコラーゲンを配合し、素肌・素髪への優しさを追求したスキンケア商品。現在洗顔フォーム・クレンジングジェルを販売しており、ボディソープやシャンプーなど、さらなる商品展開も検討中だ。
「商品にはストーリーが必要であり、商品を通じてお客様に我々の想いや熱意を伝えたい。『モノづくりからコトづくりへ』転換するとともに、お客様に信頼して商品にはストーリーが必要であり、商品を通じてお客様に我々の想いや熱意を伝えたい頂ける強い商品群を作り続けることが、今後の課題です」(福井社長)

【会社データ(問い合わせ先)】
本社=群馬県邑楽郡板倉町大字海老瀬7208番地
☎=0276―82―3761
創業=1953年11月
資本金=1億円
売上高=89億円
従業員数=240名
事業内容=洗剤・医薬部外品・化粧品の製造・販売
http://www.daiichisekken.co.jp

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