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毎日新聞出版『サンデー毎日』で連載中の「会社の流儀」がWeb版で登場。中堅・中小企業の隠れた素顔や取り組みを紹介します。

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日本クロイド工業(シリーズNo.1260)

食品・化学製造用からインフラ整備用まで
世界が求めるポンプメーカーとして躍進

横田 耕太郎 社長

 千葉県習志野市の南部に位置する、茜浜。冬の海に映える夕陽の美しさに由来するこの地に本社を構えるのが、日本クロイド工業株式会社だ。
 液状の素材を使用する製品を作る上で欠かせない、流体輸送ポンプに特化したメーカーとして59年の歴史を持つ同社は、化学工業や食品メーカー向けのギヤーポンプとロータリーポンプを主軸に展開している。


 流体は、主にニュートン流体と非ニュートン流体に大別される。水や油のように、圧力を加えても変化がないものをニュートン流体、エマルジョン液・スラリー液・半固体液のように圧力を加えると変化が伴うものを非ニュートン流体と呼ぶ。ニュートン流体や簡易な非ニュートン流体にはギヤーポンプを、非ニュートン流体はおおむねロータリーポンプで移送する。
 同社の製品は、大手食品・化学メーカーからODAでのインフラ整備用機材に至るまで「世界が求めるポンプ」として、現在100カ国以上で約15万台が稼働している。リーマンショックの時期を除き、創業以来黒字経営継続の要因を横田耕太郎社長に伺った。
「日々新商品を開発するお客様に対し、材料に最適なポンプと付属装置の共同開発を絶えず行っています。共同開発した製品の数は主力製品より多く、開発型のメーカーとして喜ばれています。開発・コンサルティングなくして会社の発展は出来ません」

「葛藤なくして発展なし」
日本を代表するトップ企業へ

 同社の勃興は1957年。横田社長の父君の先輩である千葉工業大学出身の大田倶邦氏が、日本発明協会の理事を務めていた祖父からの支援を受け、創業した。
 横田社長は、文系の大学を卒業後、同社にて研鑽を積んだのち2002年に3代目社長に就任。新たな経営方針として打ち出したのが、海外向け製品の生産拡大だ。今や総出荷数の約7割を海外向けが占める。
「国内の人口減少が叫ばれる一方、世界人口と共に国外需要も増加傾向にあります。お取引先様の海外進出の際も万全のサポートができるよう、国内外問わず自ら視察やヒアリングに出掛けていきます」(横田社長)
 世界中からの様々なニーズに対し、営業・設計技術・製造部門の社員同士で意見の衝突も度々起こるという。
「私自身、社員と激論を交わすこともありますが、これこそが企業発展の秘訣だとプラスに捉えています」
 また、社員の若返りを図るとともに、一人ひとりの取り組みも直接評価。実際、学卒者が多数在籍する中、高卒の若手社員を異例の工場長に大抜擢した例もある。
「今後も開発・コンサルティングと海外への積極的拡大に注力していきます。全世界の顧客のニーズに迅速に対応できる企業になるよう、精進していく所存です」
 社名に「日本」を冠するように、日本を代表するポンプメーカーとして、同社の挑戦は続く。  

【会社データ】
本社=千葉県習志野市茜浜1―6―3
☎=047―452―8181
設立=1957年4月
資本金=9200万円
事業内容=ギヤーポンプ、ロータリーポンプの製造・販売
http://www.cloid.co.jp

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